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憧れの魔女っ子と、平凡な人間の少女の描き分け/『魔法使いの心友』1巻

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 ジャケ買いで「これは!」と思って手にした作品なんですが、「魔女っ子もの」(魔法少女ものじゃなくて、人間界に魔女の女の子がやってくる「落ちもの」形式のもの)が好きな人にはオススメできる少女漫画でした。

 ちなみに原作担当の柚木さんによると、「サリーちゃんのよっちゃんにスポットをあてたい」という気持ちから生まれた作品だとのこと。
 「魔女っ子」役のヒロインが憧れの存在として描かれるのも、サリーちゃんのイメージだとすると納得ですね。

 平凡な一般人の視点から、ヒロインを「憧れの存在」として描く上でポイントとなるのが、登場人物内における美醜の描き分けでしょう。
 『魔法使いサリー』では明るい髪の「異国のお嬢様」風に描くことでサリーを美少女として差別化していました。

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 一方、現代の魔女である『魔法使いの心友』のヒロインは、サリーちゃんとは逆の黒髪ロング美少女
 黒髪の長さがエキゾチックな美しさを醸し出しています。「背が高くてハーフっぽい」と言われることもあって、異国風の特別感が魔女にはつきものなんでしょう。


 作中では「愛嬌のある感じの子(主人公の友達)」<「普通の可愛い子(主人公)」≒「オシャレ次第で綺麗になれる子(ゲストヒロイン)」<「クラスのルックス上位のグループ」<「そのグループで一番の美人」<<<「黒髪ロングの魔女っ子」という段階を踏んでうまく「美少女度」を描き分けており、そこは作画担当の香魚子さんの画力を堪能できるところです。


  • 「美少女度」の描き分けがわかりますか?

 さて、お話としては、一巻の中でストーリーの基本フォーマットがすでに提示されていますから、続きが楽しみな作品ですね。