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山川直人『コーヒーもう一杯 II』感想

 山川直人の『コーヒーもう一杯』、第2巻が出てました。(→第1巻の感想

コーヒーもう一杯 II
コーヒーもう一杯 II山川 直人

エンターブレイン 2006-04-24
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 うーん、めっちゃ面白い。
 「コーヒー」というモチーフを気持ち良く感じさせる雰囲気作り(トーンを使わないカケアミ主体の絵柄や、どこか傾きのあるタッチとか)もさることながら、16頁のショートショート作品として見ても素晴らしいです。
 まぁ何も考えずに読んでもいいんですが、解釈の為のキーワードを用意するなら、「時の流れ」と「思い出の変化」を描いたもの、として読めるでしょう。
 その流れと変化を、16頁の中に閉じこめてあるのが、なんとも、うまいものです。


 そういう、「時間と記憶の変遷」というテーマは、藤子・F・不二雄が短編作品で得意としていたものでもあるので、どこかF作品と似た匂いを感じた人も少なくないかもしれません……ぼくだけかな?


 ちなみに1,2巻を両方読むと「図解 マンガで学ぶ正しいコーヒーの煎れ方講座」にもなるという、異様な実用性の高さも含めて、おいしい作品ですね(笑)。