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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

今週までの絶チルのエピソードは

 バランスが取れてて面白かったですね。
 薫の行動原理の設定付けに妙味があります。それは単純に言えば「エスパーは仲間、エスパーはほっとけない」なんですけど、そういう行動原理を持った薫が人類の敵(=破壊の女王)になるか? 味方になるか? っていう問題は「薫自身が何を思うか?」は無関係で、それよりも「人類がエスパーに対してどういう立場を取るか?」に左右される問題なんですよね。
 人類がエスパーを迫害すれば薫は「女王」となって仲間=エスパーと共闘するだけだろうし、逆に人類がエスパーと共存できていれば、薫は何もしなくてもいいと。そしてその「女王になった薫」と、「何もしなくていい薫」の行動原理に違いは無くて、全く同一だと言えるでしょう。違っているのは周囲の環境だけであって。
 つまり「チルドレンをいい子に育てよう」というテーマではなくなるんですよね、薫がこういう性格だと。作者は、「チルドレンが反抗せずに済む環境をどう作るか」をテーマに据えようとしているように窺えました。


 で、その薫の行動原理っていうのは、実は(人類側である)皆本の思想をなぞることで支えられている……っていう模倣構造をカギにしている所も「凝った設定にしてますねぇ」という感じです。