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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

アニメによる漫画の販促効果というものは

凄いもので、詳しくは『マンガ産業論』という本にも書かれているんですけど。
 スクランの8巻がトーハンで3位に入ったんだとか。
 スクランの場合、勿論「原作がいいものだから売れたんだ」という作品主義で語ることもできるんですが、結局あれはテレ東六時台っていう時間帯でアニメ版が優良なソフトとして放送されたことによる販促効果が大半なんですよね(ソフトの優良さについては今更疑う余地も無いでしょう)。アニメ化が上手くいくと、売上げが倍くらい違ってくる場合もありますから。
 逆に言うと、漫画としての人気の質が倍くらい差があっても、アニメ化すれば逆転する可能性が充分あるわけです。
 CLAMPの今の地位も、大量のアニメタイアップによって築き上げたものですしね。市場の規模は違いますが、CLAMPと同じことをやろうとしてるのが介錯です。


 その上で、ネギまの場合は元々、アニメ化戦略を100%度外視している時点でCLAMP介錯とはまるで異なるベクトルの漫画を描いているわけですが、そういう意味じゃあ、赤松さんよりも『聖闘士星矢』の頃の車田正美の方がよっぽど商業主義的な漫画を描いてることになるんですよね、喩えて言えば。
 本人は今頃、アニメ化企画を人任せにし続けたことを一応後悔しながらも、まぁ仕方ない、漫画の方を頑張るしかないか……みたいなことを考えてるんだと思いますが。
 ぼくからしてみれば、こういう性格の漫画家を「優秀なプロデューサータイプ」と呼ぶのは、ちょっとおかしい。プロデューサーだとすれば、メディアミックスの見通しが甘すぎますからね。『ラブひな』の頃はもう少し大局的なビジョンも持っていたと思うんですが(リベンジ戦だったからヒットさせる野望も大きかっただろうし)、ネギまはかなり局所的なビジョンで描かれているように見受けられます。その分、漫画としての完成度は非常に高められているんですが、あくまで漫画として、の完成度に徹底されている。
 小林尽の場合は本人の才能もあれど、全体的に天運や巡り合わせの良さに恵まれた作家だと評価していて(でないと説明のつかない部分が多すぎる)、アニメ化による販促効果もその恵まれた結果のように思えます。正しい評価を世間から受けるのはいいことですけどね。


 ネギまのアニメ版は「タダで見れるアニメ」としては一アニメファンとしてのんびり観ていられるんですけど(ネタアニメとして)、深夜放送とはいえ重要な販促アイテムなわけで、それであの完成度の低さというのは、やっぱり貶めていいものなのかもしれないなあと今更ながら思います。ぼくの主観は別として、客観的な商品としての評価でいえばです。


 ただ、アニメ化との巡り合わせが非常に悪かったことに対して、コナミ制作のゲーム版との巡り合わせは非常に良くて、これだけは恵まれていたといえるでしょうね。
 2chからのコピペですが

785 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2005/03/31(木) 23:49:04 ID:5XxLUWdG
電撃G'sマガジン読んだ。
サブエピソードの数は12個か。
やっぱ、CDの組み合わせでやるのかな?


ディレクターのインタビューに感動した。
「ゲームはすでにいわゆる原作のif世界になっていますので、
 できるだけ時系列的な部分を原作に合わせています。
 また、原作には最大限の敬意を払うことをポリシーにしていますので、
 原作で語られていないキャラの設定などゲームで先に作品の
 ネタばらしをすることは絶対にないですね」


「今作の属性には、モーションが全部それなりにおもしろいのがついてる」


「属性のモーションは全部、最初からモーションキャプチャーで新しく
 取り直してありますし、1キャラで約2,000〜3,000、全体で
 6〜7万ある一行セリフも新属性用にすべて作り直していますよ」


ここまで原作を大事にし、かつ熱意を込めてくれるメーカーは
そうはないと思う。

 ただ、TVゲームは手に取る人の層が限られているので販促効果もそれほど高くはなく、やはり不特定多数の人が観るであろうTVアニメには敵わない所があります。