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ポルンとレインボーブレスによるパワーアップについて

 今回はポルンの存在意義について考察(妄想)してみます。


 プリキュア達にとってのメップルとミップルは彼女達それぞれの「子供」であると同時に「パートナー」であるとして描かれていたのが第26話までの前期シリーズでした。
 特に第1話から第9話*1までのメップルメップルは弱く、また無垢でもあり、「守るべき子供」として存在していましたが、第19話*2を経た辺りから「共に戦うパートナー」としての自己主張が色濃くなります。
 さてプリキュア達の「戦う動機」には、友達を気遣う友情(フレンドシップ)と年少者を守ろうとする母性(マザーフッド)のふたつが挙げられるのですが、メップルとミップルが「パートナー」としてのエゴを確立していくにつれ、前者のフレンドシップは強化されていく反面、後者のマザーシップは描かれにくくなっていきます。
 そこで第27話から「守るべき子供」としての物語的役割を新キャラのポルンが受け継いだとして、メップル・ミップルとポルンとの存在意義の違いを探ってみましょう。
 メップルはなぎさが預かる所の「なぎさの子供」であり、ミップルも同じく「ほのかの子供」であったのに対して、メップルに躾られ、ミップルに甘やかされ、なぎさとほのかの手許を行ったり来たりするポルンは(こういう表現は直裁的で気恥ずかしいですが)「なぎさとほのかの子供」としてふたり(メップル・ミップルを加えれば4人)の間で共有されているのだ、という差異を発見することができます。
 つまりプリキュアの戦いが、今までは「自分のため、自分の所有物のため、友達のため」の戦いであった所に、「自分達の共有財産のため」という動機が加えられたことになります。主体である自分と第二者のため(という単線的で内に閉じられた動機)だけでなく、第三者のため(という複線的で外に開かれた動機)の戦いであること。
 ポルンを媒介にしたレインボーブレスによるパワーアップは、この「戦う動機」の発展性をこそ表現しているのではないでしょうか。*3

*1:「取り返せ!メポメポ大作戦」

*2:「こわすぎ!ドツクゾーン最後の切り札

*3:もっとも、レインボーブレスプリキュア達の意志ではなく、ポルンの単なるイヤボーンによって発動するみたいなので、母性本能と関わりがあるのかどうか曖昧ではある