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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

北米に咲いたYURI(Moonlight Fantasia)

 みやもさんに振られたので簡単に語ってみましょうか。
 とりあえず、外縁的にチェックしてみます。

  • 殆ど「男役×女役」の組み合わせが好まれてるんですね。そういやあケイも魎呼も「俺女」だし……って、英語圏で一人称や語尾の性差は認識されてるんでしょうか(吹き替えの芝居を男喋りにしてアピールはできるか)
  • するとやっぱりマリみてはフェム×フェム系(女の子らしい女の子同士)の組み合わせだったのが向こうにとっても新鮮だったのかもしれない
  • 女性ファンが「私レズかしら」「バイかも」とか一人ごちるあたりはアメリカ人らしい短絡思考。日本人的に「他人の恋愛を眺めているのが楽しい」という割り切った発想はしにくいのかも
  • すれっからしのアニメオタクにとってはあまりもの演出のイケてなさで不評だったアニメ版マリみてですが、なるほど原作小説が「半永久的に英訳されないであろう」状況ではアニメが一番「言語の壁を飛び越えやすいメディア」であって、その文化貢献度は評価していいかもしれません
  • アメリカのyaoi業界では「○○×●●」の「×」のかわりに「/」を使うんですが(だからyaoiの同義語としてslashとも呼ばれる)、それがyuriにも用いられている辺りyaoiとの同一視が進んでるみたい

 さて、今ではどうか知りませんけど、女友達が一緒に歩く時に手繋いだり腕くんだりしがちな日本の国風は割と珍しいそうで、そこが文化的な違いと言えばそうかもしれません。ぼくが思い付くポイントはそれくらいですかね。
 文化的格差なんてそうそう語れるものでもないですし、男性オタクも大体似たような楽しみ方(ウチで何度も指摘しているような「微笑ましい姿を眺めるだけ」の楽しみ方)してるなあっていう印象を受けます。もっと細かく観察すれば違いを発見できるかもしれませんが。例えば男女の棲み分け方の違いっていうのはあるでしょう。日本の場合はまず女性のコミュニティありきでしたが、アメリカは少し男性が先行で、後はほぼ同時成長? なのかな。日本人オタクにありがちな「女性の視点にすり寄る」的な態度も少ない気がします。


 あと、心に留めて置いた方がいいのは、日本人だろうがアメリカ人だろうがオタクがみんな女流文学を読んでるわけじゃないっていうことでしょう。*1
 日本人オタクにしたって、過去の少女小説エス小説の存在を知らなかった人達は「マリみては新しいっすよ」とかなんかの先走った感想で無知ぶりを発揮していたわけであり、それと同じことはアメリカ人オタクにも言えるんじゃないかなという気はしますね。その国における文学的背景が、そのまま若い消費者達に影響を与えているとは限らないわけですから。
 むしろハリウッド映画における「ナマモノ」の影響を見た方がいいのかも。例えばチャリエンはどう見えてたかとかですね。アメリカ人のセクシュアリティ意識っていうのは、多分、映画の歴史を追った方が理解しやすいと思います。
 それにしても、最近の百合ブームに対して小谷真理が沈黙したまんまなのがちょっと残念、こういう時こそあんたの出番なんだぜと思うのに。やおいエヴァの時ほど触手が動いてないんでしょうかね。*2

  • 余談

 個人的には「この全くノーマルなキャラ達の中で、最高のレズビアンになるのは?」のアンケートに対する「8位:鮎川まどかという結果がツボヒット。考えたことも無かったよ。相手役はやっぱりOVA版の春日あかねを想定してるんでしょうか(しかしそれで8位か……)。
 まぁ、ひかるや春日姉妹に対して姉御肌な所がウケてるのかもしれない。
 いかん、ちょっと興奮してきた。オレンジロードでそれは反則だ……。誰か同人誌作って下さい(無くもないような気はするが)。

*1:しかも向こうのオタクはアニオタが中心。せいぜい「アン」や「若草物語」程度じゃなかろうか(それもアニメから先に入ってるかもしれない)

*2:そういや水玉蛍之丞はまたなんか解ったような素振りで語ってたりするんだろうか? SFマガジン読んでないからなあ