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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

昨日のつづき

 ああいうネタを読んで楽しんで貰えるか不安だったんですが、面白いという反応もいただいているので(昨日のリファ参照)届く所には届いたかなという感じです。
 あとはリファを飛ばした先の皆さんが凄くムッとしてるんじゃないかと心配なのですが。

  • 女性はどうなん、と

 昨日の「鴨」の例え話ですが、あれで「そーね、男の子ってこんな感じかもね」と思っていただいても結構なんですが、あれは女性でも当て嵌まるんやないのんという。いや知りませんけど。
 というか、少女漫画に出てくる男キャラは基本的にヴァルネラブルすぎる。あと「実に微笑ましい光景」がソフトBLに相当するのかとかそういう話。*1

 コバルト文庫はできるだけ参考資料に当たっているつもりです。
 マリみてが特別新しいものではなく、過去の少女小説の流れの上にあり、オマージュや同人的要素を持っている(地雷犬さんの言い方なら原点回帰)、という話ならこの日記でも幾度か言及しています。ていうか、それはマリみて考察の基礎知識だと思ってましたが……。毎回イチから説明しなきゃいけないのかな……。
 まぁ、地雷犬さんが今回うまくまとめてくださいましたから、知らない人はそちらを参照してくださいってことで。


 ぼくが言おうとしたのも「男性オタク史観のみでマリみてを語られるとかなり違和感がある」という点で、近いものだと思います。
 マリみてを欲する男性のメンタリティは「男性オタクの萌え歴史」の途上にポンと出てきたわけじゃないんですよと。だから「女の子いじめ」っていう視点から、もっと普遍的な「鴨」っていう視点まで引き下げた話をしたんです。
 それらの基礎的な分析を踏まえた上で、男性オタク史観を用いるべき、という話ならその通りですね。ぼくはそうしてきたつもりなので。

マリみて」がヒットしたのは、「マリみて」における今野緒雪のキャラクター造形の巧みさ、「レイニーブルー」「パラソルをさして」に代表される構成のうまさ……。要するに出来がいい小説だったからということでしょう。(※1)それ以上でもそれ以下でもない、と思います。(だから出来が悪いマリみて以前の今野緒雪の作品はスルーされている)

 基準にもよるでしょうがデビュー作の『夢の宮』の時点で今野緒雪はレベル高かったと思います。しかしスルーされてるっていやあ『クララ白書』も丘ミキも律儀にチェックしてる人って少ないですよね(Amazonさんは熱心にオススメしてきましたが)。現在進行形の作品じゃないにしろ、じゃあクララは(今野緒雪の過去作品並に)レベル低いのいやそうじゃないでしょっていう話で。
 レベルの問題というよりは、話題性の違いではないでしょうか。まぁめっちゃ単純に言えば萌えがあるか無いか。ストーリー重視の氷室さんに比べて、キャラ萌え/カプ萌えを前面に出すことを憚らない今野さんはオタクっぽい(悪い意味ではない)なと感じます。しかも小説が巧い、萌える、流行ってる、サイト巡りが楽しい、同人も面白い。こりゃ買うだろうと。
 「レイニー」と「パラソル」のデキの良さが強力な起爆剤になったというのは同感ですが、それだけだと「凄く泣けるラノベ」止まり(言ってみれば秋山瑞人みたいな評価のされ方?)の筈で、今みたいなキャラ消費はなんでされてるの? という問いに対するアンサーにはならない気もします。それについて考えたのが、昨日の日記であるわけですが。
 あ、もちろん昨日のだけで全てを語りきったとは考えていませんよ。そりゃー色んな理由でマリみてのキャラ達は愛されている筈です。

*1:もしかすると高原英理っていう人がそのへんのことを本に書いているのかもしれない