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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

というわけで、TRPGについて

izumino2004-03-13

 まずは自己紹介から。
 ここではアニメ感想やオタク批評ばっか書いてますが、主な趣味はTRPGです。サークルには所属しておらず、月に1,2回の頻度で遊んでいます。
 普段どういう遊び方をしているかは、ここここを参照のこと。あんま上品な遊び方してないですね(久しぶりに読み返したら頭痛くなってきた)。

 まずはこの問題についてですが。
 TRPG系サイト同士のコミュニケーションは、ほぼオフラインの身内やシステムごとに閉じていて、交流が活発でない、と。オンラインで交流する場合は、2ちゃんねる卓上ゲーム板で満足する場合が多い、と。
 SF系やオタク系等の趣味人同士は、サイト間の交流がメインなのになぜTRPG系は身内に固まってしまうのか。
 まぁ、「他人のサイトにコメントするのを控えてしまう」という姿勢はどのジャンルでも共通しているんですが、とりわけTRPG系にその傾向が強いのは何故か、という問題。


 個人的な意見で言えば、TRPG系の人は「恥」の感覚の強い人が多いと思います。その遊びの性質上、「イタい人」*1と遭遇しやすいからです。
 ぶっちゃけTRPGは「習熟が難しい遊び」*2ですから、劣悪な環境で育ったプレイヤーは「イタい人」になりがちです。そして、大抵のTRPGプレイヤーは大なり小なり「イタい人」と接触したイヤな記憶を持っています。
 そりゃあ別系統の趣味人にも「イタい人」は沢山居るでしょう。でも他の趣味と違ってTRPGに特徴的なのは、TRPGが「コミュニケーションを不可欠にしている」という点です。インドア派の趣味人同士なら互いに接点を持たずに共存したり、見て見ぬふりが可能ですが、TRPGの場合は相手とのコミュニケーションを余儀なくされるケースが多い。
 そこでTRPGプレイヤーは、強い「恥」の感覚を身に付けます。
 「恥」をかくような姿を身内以外の人前に晒すことを極度に嫌うようになると。コミュニケーションの機会が多い遊びだからこそ、むしろ多くのTRPGプレイヤーは「お行儀」が良く、身内以外との距離を取りがちなのではないでしょうか。だから逆に、「恥」を意識しないで済む2ちゃんねる(匿名掲示板)は意見交換が活発だったりします。


 また、サイト間の交流が少ないだけでなくTRPGに関する議論そのものが少ないのは、「TRPGについて語ることは不毛」「考えるよりも楽しむべき」という根強い思い込みがあるからでしょう。
 これも、「TRPGについて語りたがる人」の多くが「イタい人」(はっきり言えば「TRPGがヘタそうな人」*3)に映ったから、という歴史があって、それを見てきた側からすれば「TRPGについて語りたがること」は恥をかく代名詞になります。
 それがいつの間にか、「語ることそのもの」を「自分のプレイヤーとしての未熟さを晒け出すようだ」、と錯誤するようになった人が増えたのではないでしょうか。そして、自分はそうではないぞと思いたがるわけです。*4
 ある知人が日記に書いていた「ネットには自分は頭がいいと思ってる人がいっぱいいるけど〜」という発言にはTRPGプレイヤーらしい「恥」の観念が集約されていると思いますし、またそういう目線こそが「語ること」を抑圧してきたと言っても差し支えないでしょう。

  • サイトのアクセス量や閲覧者層の影響

 次に、これはウェブ全般に言えるジンクスですが。個人のテキストサイトに書かれる内容というのは、そのアクセス量や客層に大きく左右されると思います。
 そこに於いて言えば、TRPG系サイトのアクセス量や閲覧者の大半というのは「身内」に他ならないわけで、前述した「恥」の目線に晒されることになります。TRPGそのものについて語ることや、余所のサイトに口出しすることは嫌われ、「素直にゲーム楽しんでます」的な日記が好まれると(逆に「身内ウケ」はどれだけバカで恥ずかしいことをやっても、受け入れられる土壌がある)。


 ぼくも1日20ヒットにも満たない日記をポツポツ書いていた時期に、そういった目線に苦しんだことがあります。
 それから経験上学んだのは「読者に非TRPGプレイヤーや身内以外が増えれば増えるほど、自分の意見を書きやすくなるし、身内以外のサイトともコミュニケーションをしやすくなる」ということでした。
 逆に言えば、身内の割合が少なくアクセス量の多い趣味系サイトであるほど、他のサイトと交流しがちであるという発見でもありました。
 ただ、語るに足る見識を持ったTRPGプレイヤーほど沢山の身内に囲まれているでしょうから、その身内の数を上回るアクセスを得るのが難しい、という問題でもあります。


 だからぼくがTRPG系の人達に勧めたいのは、「ブログなりはてなダイアリーなりを使ってどんどんアクセスを増やせばいいのに」ということだったりします。また、周囲から見てウザがられるくらいの村を作ればいいのに、と思うこともあります。
(続きます)


※で、当然ですが、話題をまわす役目をするニュースサイトが無いのも理由でしょうけどね。オタク系で言えばARTIFACTみたいな所でしょうか……(ARTIFACTを例えに出したのは、ウチのおとなりマップの一番上に来るからみんな見てるんだろう、というだけですが)。
 TRPG NEWSは人力アンテナとして便利なんですが。

*1:このような呼び方はぼく自身あまり好きではないですが、そういう視点から他人や自分自身を判断する人が、この世界には多いような印象があります

*2:選民主義的な言い方ですが、事実そうなんだから仕方がない

*3:TRPGは、見知らぬ相手の「実力」を確かめる手段に乏しく、他人を見下してしまいやすい

*4:しかし、そう言うプレイヤーほど、いざ語らせてみると、「語る能力」を充分に持たない人である場合が多い