『劇場版 仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル/海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE 空飛ぶ幽霊船』
「3Dで観る必要性は薄め」という前評判を聞いていたので、通常版で鑑賞してきました。
そういえば、3D映画を通常版で観るっていう体験自体がはじめてなので、それはそれで貴重な機会でした。
通常版だと、3Dで奥行きを表現するための「CG合成の跡」が目立ちやすく、昔日の嵌めこみ合成のような感触が浮き出てしまう……、というのは通常版を観て初めてわかることでしたから。
劇場版 海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE 空飛ぶ幽霊船
ここ数年の劇場版戦隊の中でも屈指の出来で、6月の199ヒーロー大決戦以上に感動できました。
なにより、スタッフが「映画のスクリーン映えする画面選び」を考慮して撮影してることが、明確に伝わってくるのが素晴らしい!
冒頭の、ビル街を背景にした豪獣レックスvsニセゴーカイオーの撮り方が完全に「戦隊」というより「怪獣映画」のレイアウトになっていて、ニセゴーカイオーが目から光線を放つときの「ピシャァァァ!」っていう効果音が、絶対に東映の特撮で耳にするとは思えない「怪獣映画」の音だったり。
本編のアクションシーンも、カンフー映画や、B級ハリウッド映画のおいしいアクションを巧く組み合わせたもので、TV版のゴーカイジャーでは観れない画作りを堪能できました。
TV版との違いで言えば、変身後のアクションにおいて「各戦隊の名乗り」をちゃんと重視していたのが嬉しかったですね。
TV版は、本当に「それ」をやろうとしないのが「画竜点睛を欠く」で、いつもいつも残念なので。
ストーリーもシンプルにまとまっていて、ゴーカイジャーの「仲間」っていうテーマが凝縮された良エピソードでした。ラストの、マーベラスに一言かけるルカの台詞もエロい!
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劇場版 仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル
一方オーズの画面作りは、スクリーン映えをあまり考慮してないのか、ゴーカイジャーと比べると見劣りするように感じました。
そもそも『暴れん坊将軍』という「TVの時代劇」とコラボしている時点で、劇場向きではない気も。
その点、去年観た『仮面ライダーW』の劇場版(「AtoZ/運命のガイアメモリ」の方)は高速道路上のバイクシーンなどで「アクション映画」を意識した画作りがあったと思うんですけどね。
シナリオも、最後の選択のトリック近辺で、少し丁寧さに欠けるところが……。
しかし、里中くんが出てる部分が一番の見所でした。
「欲望」がテーマの本シリーズにおいて、里中くんの立ち位置は特殊で面白いです。
彼女は「目標」とか「夢」といった形での欲望を持ってるわけじゃなくて、単に「自分が好き」なだけな人っぽいんですよね。
しかも「自分を磨くことも好き」だから、夢も目的もないのに努力できるタイプに見えます(そんな描写が直接あるわけじゃないですが)。
そういうパーソナリティのキャラって、なんか魅力的なんですよね。
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タイのムエタイアクション映画DVD
うっかりチェック漏れしてたんですが、ジージャー主演のタイ映画『RAGING PHOENIX』がDVDですでにリリースされてたんですね。
うーん、やっぱり劇場公開を経ずにパッケージ化してたんですね。
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邦題は『チョコレート・ソルジャー』という、またぞろ微妙なネーミングですが……(いっときのカンフー映画の邦題のようなチープ感が)。
- Trailer時点の感想:ジージャーの新作映画 - ピアノ・ファイア
パンナー・リットクライ監督作品のDVDも
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『マッハ!』のプラッチャヤー・ピンゲーオ監督はメガホンを取ってませんが、アクション監督であるパンナー・リットクライの監督作品(『マッハ!弐』『マッハ!參』『マッハ!ニュー・ジェネレーション』)もいつのまにかDVD化していた模様。
観たいですね〜。
映画『コクリコ坂から』感想
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なるべく前情報を仕入れずに、鑑賞してきました。
結論から言うと、面白かったですね。
男友達3人、女友達3人を誘って観てきたのですが、女性陣が少女マンガ的な甘酸っぱいラブにキュンキュンしていたのに対して、男性陣はのっけから「ゴローが」「ジブリが」と制作サイドの話をしていたのが予定調和の流れでした。
「ジブリがスタジオとしてどうか」「宮崎吾朗が監督としてどうか」というのもクリティカルな問題なんですが、ぼくが純粋に映像として楽しんでいたのは、「60年代の日本を描くことの魅力」であって、その、「心のなかにしかない古き良き日本」というのを描かせたら、今のジブリの右に出るスタジオはおそらくないし、ひょっとしたら今後のジブリは「延々と過去の日本を主題にアニメを描きつづければいいのでは」と思う反面、もしそれしかできなくなったらどうなんだ、と逆のことを思う。
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庵野秀明が『魔女の宅急便』や『紅の豚』が興味ない、と語っていたのも(たぶん)そこでしょう。自分たちの過去を懐かしがって、美化することしかできないのは創作としてどうなんだ、という。
ぼくは『魔女宅』も『紅豚』も好きな作品だから葛藤のある感想になるわけですけど、『コクリコ坂から』でもそうで、60年代の日本の、台所を中心とした生活様式を美しいと思う反面、そこに魅了されるだけでいいのかなあと悩みながら鑑賞していた部分がありました。
明らかに戦争を直接知らない世代(戦争はおろか、作中の背景にあるであろう学生運動すら経験していない宮崎吾朗の世代)が日本の戦争体験を描いてしまう問題も、ちょっと考えてしまいます。例えば、戦争でフネが射撃を受けるシーンでも、爆発のエフェクトには力が入っているのに「その場で慌てふためく乗組員の姿」はまったく描かれないこととか。
恋愛ものとしては、ほんとに大時代的なラブコメディで、まさにトレンディ・ドラマの影響を受けたバブル期の少女漫画や、いっそ韓流ドラマくらいに綺麗な恋愛でしたね。
これ自体は、各キャラクターの見せ方が巧くて、魅せられましたね。個人的には、女たらしだけど「お前、風間のことが好きすぎだろう」な生徒会長や、下宿人の画家さんが見せる演技も好きでした。
女性陣にとっては、主人公や、母親の描き方が「男の理想が投影された女性像」ではなかったことが気に入っていたようで、確かに宮崎駿のジブリ映画なら、主人公は台所仕事だけではなく下宿の切り盛りで男勝りに「労働」している様子が強調されていたでしょうし、お母さんも「いかにも男女同権運動の象徴」みたく男らしく描かれてた可能性が高いですね(育児放棄している母親を直接描かず、夢のなかで「割烹着を着たお母さん」を描いてまでして、女らしくないイメージを中和しているくらいです)。
「昔の日本人」を美化して描いた部分としては、彼らが「礼儀」や「格式」を非常に重視していることと、礼儀には礼儀をもって応じる……さらに言えば「他人に見られていなかろうが礼儀を徹底する」というスノビズムな盲目さ、自意識によるテレの無さ、外発的ではない内発的な人間の在り方を美しく描いていた、理事長直訴までのシークエンスが、お気に入りでした。
- Togetterまとめ/内発的なキャラクターの魅力と「育ちのいいお嬢様」 - ピアノ・ファイア
- Togetterまとめ/「盗賊団にさらわれたヒロインがいつのまにか人徳で盗賊たちを惹きつけて味方にしてしまう」シチュ - ピアノ・ファイア
そこは↑で触れていた「育ちのいいキャラクターの内発性」「高度に発達した家政学は帝王学に優る」にも繋がる「ジブリっぽさ」を、もっともこの映画の中から感じた部分でもありました。
それにしても、日本の戦争体験に触れること、ノスタルジーをウリにすることは近年のジブリが「封じ手」にしつづけていたことです。
『ポニョ』も『アリエッティ』も、必然性なく舞台が現代日本なんですよね。どちらも、現代でファンタジーを描く方がメンドウなはずなのに、携帯電話だってしっかり出てくる。それは「現代に向けて作らないといけない」という義務感があって、『紅豚』のようなノスタルジーに依存しないという心構えがあってのことでしょう。
しかし、そのふたつは「ジブリスタッフが全力でやったら(それこそ監督が誰だろうと)面白くならないはずがない」という伝家の宝刀でもある。ある意味、ジブリは最強の切り札を切ってしまったようにも感じるんですよね。
最後に、一緒に観にいった「ヤツ」さんの映画感想の紹介を。
この一連の評価でぼくが執着しておきたいのは、「宮崎吾郎、意外とやるじゃん」的な監督論のアングルではなく、「ジブリスタッフは素の自力でこういうものを作れるのだ」というスタジオ論のアングルが欠かせないだろう、という点ですね。
私見では、『コクリコ坂から』における「抑制の効いた醒めたアニメーション」のスタイルは『借りぐらしのアリエッティ』の時点からすでに現れていて、それは『ゲド戦記』の敗北から『アリエッティ』の勝利を経て獲得した「俺たちは監督が宮崎駿や高畑勲じゃなくても、力を合わせればいい映画を作れるんだ!」という労働者としての自立性(これまでの独裁政権を自分たちで乗り越えた体験)を根拠にした、各ジブリスタッフの結託が成功のカギなんじゃないか? などと考えたりもしているからです。
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劇場版アンパンマン(2011年)は「復興」の映画なのか?
2011年映画「それいけ!アンパンマン すくえ!ココリンと奇跡の星」公式サイト
先日は友達と、劇場版アンパンマンを観にいきました。
『ジュエルペット てぃんくる☆』の島田満さんが、原作者・やなせたかしさんのメッセージのもと、脚本を担当されていたことで興味を持った作品です。
(※東北沖地震から間もない、3月16日の島田満さんのツイート。)
先日、久しぶりにアンパンマンのシナリオを書きました。原作者のやなせたかし先生は戦場で第二次世界大戦を経験し、大勢の人々が命を落としていくなかで、正義とは何か、長い間考え続けたといいます。そしてたどりついた答えは「正義とは、おなかがすいた人に食べ物をさしだすこと」だと。
そして先生はアンパンマンをうみだしたんです。おなかがすいた者を助け、いたわり、自分の顔をちぎってさしだすアンパンマン。どんなときも勇気をもち、自らの体をさしだす無償の行為でみんなを支えるのです。いま東北で食糧がたりず都内でパンが消える非常事態に、アンパンマンの正義を思い出します。
@gesukapper 今回、書いたのがちょうど、パンの話なんです。やなせ先生がパンを通して伝えたかったことは何なのか、沢山、考えたあとだったので、今回のことが胸にしみました。
『すくえ!ココリンと奇跡の星』はそのまま観ると、「震災後の日本に向けた映画」のように感じてしまうくらい、 今の日本の状況と符合する、示唆するようなシチュエーションの多い映画でした。
しかしこれは「偶然、今の日本を予見していたかのようなストーリーで上映された」という偶然の一致で片付けるよりは、根源的に『アンパンマン』という作品が、復興の力となるテーマを持っていたのだと考えればいいのかもしれません。
やなせたかしさんが子供のころには関東大震災が起きていますし、戦争と戦後の日本も体験していて、その中の感情から生まれた作品が『アンパンマン』なのだとしたら、普遍的な災厄や、復興の意志に繋がるシナリオが『アンパンマン』の中に含まれるのはごく当然のこと、だったのかもしれません。*1
災害によって、ご飯が不足する、飢える……というのはいつどこであろうと普遍的な危機ですからね。
――未曾有の国難といわれています。日本は復興できるのでしょうか
やなせ:(笑みを浮かべて)出来るのに決まってるじゃないか!あの戦争だって日本は焼け野原になって、原爆をニ個も落とされて人が何十年も住めないと言われたんだよ。それがあそこまで復興できたんだから。日本人は粘り強く、正しく立派に生きている人たちです。間違いなく復興できますよ!
やなせたかし氏 日本人の正義とは困った人にパン差し出すこと│NEWSポストセブン
改めて、「『アンパンマン』ってこういうメッセージのお話なんだなあ」と実感できる映画でした。
お話の展開としては「ここまでシンプルに描くことができるのか」というくらいにシンプルで、あくまで「子供にもわかるアニメにしよう」と徹底しているさまがうかがえて勉強にもなりました。
上映はまだ続くようですから、皆さんにもおすすめです。
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*1:だからどちらかといえば、「戦後の米不足からパン食への移行」も連想したものでした。……こちらの方がよほど、政治的にうがった読み方でしょうけど
ハイキック・ガールよりはかっこよさそう?な空手映画『KG カラテガール』
ティ・ジョイ
一昨年。ちょうど『チョコレート・ファイター』と公開時期がぶつかっていたというのもあってスルーしていた『ハイキック・ガール』なんですが。
その主演をしていた武田梨奈の新作が『KG カラテガール』というそうです。
これがストレートに「空手の動きのキレイさ」を前面に押し出していてかっこいいなと。
映画として面白いかどうかはわかりませんが、武田梨奈は黒帯の二段というだけあって空手の動きだけでも魅力がありますね。
ニコニコチャンネルで予告とメイキングを観れます。
ハイキックした後の、
残心の四股立ちも綺麗ですね。
かなり足が長いんでしょうけど、構えのシルエットが安定しててカッコイイ。
この、左腕を胸の前に巻き込んでから、
構えるまでの流れが一番お気に入りです。
さらに共演の飛松陽菜は13歳!だそうで。それで空手二段と張り合うのもすごい。
というわけで映画そのものへの期待はさておき、予告やメイキング映像は格闘技好きにはたまらんと思うので一度ご覧になってみてください。
『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピック on 銀幕』
22日から公開されている、シンケンジャーとゴセイジャーの合体劇場版を観てきました。一時間だけなのでサクッと鑑賞できます。
http://www.gosei-vs-shin.jp/
アクション的な見所は期待通りに多し。
ドラマも、シンケンとゴセイの持ち味をそれぞれ活かした面白いものになっていました。
シンケンジャーが、(ダイレンジャーやデカレンジャーに連なる)「五人それぞれの個性が独立して力を合わせる」タイプの戦隊なのに対して、ゴセイジャーは基本に立ち返った「みんなでひとつ」タイプの戦隊ですから、両者がぶつかり合うことで互いの在り方が強調される形でしたね。
終わりの方で、「あっちの戦隊の強い絆にも憧れるけど、俺たちには俺たちの絆がある」みたいな結論にたどり着くのも自然な帰着というところ。
アクションはどのシーンも良かったんですが、お約束通りチョイ見せ登場していたゴーカイジャー。ゴーカイジャーの緑が印象を全部持って行きすぎ。
あの動きは面白すぎでしょ。中身の性格も、動作からオカマキャラっぽいのをイメージしてたら演技はショタキャラっぽかったですし、あれはなんなんだ気になるよ(笑)と。
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- 追記
そういえばゴセイジャーは「科学戦隊のはずなのにファンタジー色が強い」*1という点で、ファンタジー→科学→ファンタジーの戦隊ローテーションの中では特異な存在なんですけど。
そのおかげでファンタジックな戦隊同士の組み合わせになって、文力と天装術の合体技も自然に描きやすかった、ってのは今回あったかもしれませんね。
言うならば「壮大な無料体験版」・ろんち氏が半年かけた動画が完結!
現在、書籍化プロジェクトが進行中、刊行を待つばかりの作品があります。
ママレードサンド氏こと、橙乃ままれさんによる大河SS『魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」』を元にした小説?です(※商業版としての正式タイトルは未発表)。
そんな「まおゆう」が漫画化されてニコニコ動画にアップされている
ことを御存じの方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?
これがまた、原作に負けず劣らずのハイクオリティでして、
ファンにはたまらない動画に仕上がってるのですよ。
「一緒にあの丘の向こうを見に行かないか!」 ―ろんち氏「まおゆう」動画のすすめ― - レスター伯の躁鬱
#00が投稿された日が半年前の2010年5月27日。6月にはニコニココラムにも掲載され、そして11月3日投稿の#10をもってこのシリーズは完結しています。
動画の全話リストはこちらです。↓
原作は、2ch形式のスレッドにして全13スレある物語ですが、そのうち1スレ目のキリのいいところまでをビジュアル化したシリーズになっています。
全てを観終わったときに抱く印象は「壮大なプロローグにしてオープニング」。
ノベルゲームの無料体験版などで、長めのプロローグをプレイしたあとに「本編のOPムービーが流れて終わる」形式を想像してもらえれば近いと思います。
当然、そのプロローグが「本編のプレビュー」も兼ねているっていうあたりもゲームの体験版やPVに近いところですね。トータルで42分44秒という、無料で見れるのにガッツリしたボリュームなのも大作ゲームの体験版っぽい(笑)。
ろんちさんの解釈によるオリジナルシーンや演出も充実していて、この動画シリーズだけでも充分に完成度が高いのですが、そのシリーズ全体がオープニングのていを成している、というのは見事。
ちなみに、ろんちさんの動画シリーズは「原作の導入」として相応しいと思いますが、「原作を読み終わったあとに読んでほしい」のがくらふとさんによる杉浦茂風コミカライズでしょう。
yukainamaoyu
これは、「2ちゃんねる」のニュース速報VIP板・パー速VIP@VIPServiseで連載された
ママレードサンドさん原作の小説を杉浦茂風に漫画化したものです。
オープニングを丹念に描く、ということに特化したろんちさんの動画に対して、詳細をうまく省略しながら最後まで漫画化することを目指した「ゆかいな魔王と勇者」は、コンセプトからして異なるわけですが、どちらかというと「原作既読者が読んでニヤリとする」ための二次創作だといえるでしょう。
なのでオススメなのは、ろんちさん動画→原作→ゆかいという順番。
もちろん、書籍版(かなりの加筆修正があるとアナウンスされています)が刊行されたらまたこのオススメ順も変わってくるでしょうけど、今からおっかけて楽しむなら! という順番ですね。