漫画購入録/林ふみの+きたうみつな『魔法科高校の劣等生』2巻
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電撃文庫のライトノベル『魔法科高校の劣等生』が、スクエニ系雑誌の『Gファンタジー』でコミカライズ中です。その第2巻が先日発売されました。
『電撃大王』でも別のコミカライズが連載されているため、これが「GF版」や「きたうみ版」などと呼ばれていますが、掲載誌の傾向から言っても「女性向けのSFバトル漫画」や「女性向けの学園バトル漫画」が好きな人に勧めやすいテイストにアレンジされているように感じます。
小説をそのまま漫画化することはできないわけなんですが、原作読者からすると、そこそこアレンジの効いた切り取り方をしている印象です。
(描写以上に男性主人公を格好良く見せようとしているところとか、女性向け目線っぽい。)
ところで、コミックスを購入したものの、すでに雑誌連載で読んでいる内容です。
いざ読み比べてみると、きたうみさんの絵は上質紙のモノクロ印刷に良く映える気がしますね。
雑誌掲載時よりも、白黒のメリハリがはっきりするコミックス向けの絵柄だという感じ。
雑誌の荒い印刷では描線のメリハリが殺される分、紙面が白く、薄めに感じていたのかもしれないです。
コミックスの印刷だと、墨と白のコントラストが効いていて綺麗です。
原稿の白い部分もふしぎと気にならなくなりますが、これは単行本だと「原稿が雑誌よりも小さく印刷されるから」、という違いもあるんでしょうね。
(縮小印刷すると描線のメリハリも強くなるので、コントラストが上がるのは紙質との相乗効果なんでしょう。)
一方、カラーイラストはというと……なんだか色設定が1巻からブレてるんですよね。
メインヒロインである深雪の髪の色が、1巻では藍色だったのが、
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……2巻からは暗い赤紫色(ダークプルーンか茄子色あたりの色)に変わっています。
- 上:ついっぷる
- 左:http://www.animate-onlineshop.jp/pn/pd/1187711/
- 右:【とらのあなWebSite】【予約】魔法科高校の劣等生 2巻(Gファンタジーコミックススーパー)
ほとんど黒になるくらい暗くしてあれば、ただの黒なのですが、彩度を明るくした塗りだと、余計にヘンなことに。
1巻と2巻にかけての変更は、純日本人の髪の色として自然に近付けるために、明るめの藍(青)色から暗めの色に変更したのでしょう。
(元々、原作者による「髪だけはリアルにこだわって」というキャラデザの方針もあり、アニメ的な色よりも写実的な色が合う作品だと思うので。)
しかし、そうなら寒色系のまま明度と彩度を下げれば良かったものの、何故、わざわざ暖色系に? と首を傾げる変更でした。
マゼンタ(赤紫)系の髪だと、色気というか下品さが醸し出されてしまうので、もっと冷たさや凛々しさを感じさせるシアン(水色)系の黒……シャーベット感のあるアイスブルーの色相ならちょうどOKなのにな、と個人的には思うのですが。
雪女に喩えられるほど色白な肌、というキャラ設定にもその方が似つかわしいでしょうしね。
この問題、原作小説のカラーイラストでも巻ごとにブレ続けている問題ですし、今後の修正に期待したいところです。