『魔法科高校の劣等生』のコミカライズに期待
『月刊Gファンタジー』で、『魔法科高校の劣等生』という小説のコミカライズが先月から連載中です。
Amazonではまだ先月号から購読可能ですね。
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作画はきたうみつなさん、構成は林ふみのさんという二人体制。どちらもゲームからのコミカライズ経験のある漫画家さんですね。
原作の小説は、地の文における「解説」がやたらと多い独特な文体が特徴的な作品なので、映像化は難しいんじゃないか……と多くの人が感じていたと思うのですが。
連載第二話の時点では、その「解説」をナレーションの形でうまくコンパクトに落としこんでいて、なるほどコレならイケるかも、という安心を感じさせました。
特にマンガ的な演出として面白いと思ったのが、原作では冷静沈着なイメージの強かった主人公の達也が、ことあるごとに「ハッ」と緊迫した表情で驚くところ。
漫画のお約束として、「キャラクターがハッと驚く」→「その視線が対象に集中する」というコマ割りが登場すると、「これからその対象についての解説が始まる!」という心の準備が行われやすいんですよね。
原作小説だと、ある程度「解説」のシーケンスを読者が経験すれば「慣れ」てきて、「ああ、いま解説が始まったな」という心構えができるようになるのですが、漫画では「驚く表情」をアイコン化させることで、解説パターンが一目で飲み込めるようにできるのが「強み」ですね。
また、どんな些細なことでもクソ真面目な顔で驚くので、『バクマン。』でいうところの「シリアスな笑い」が生まれているところです。とりあえずそのムダなシリアスさを楽しんでおけばいい、というリズムが生まれているのも漫画的で面白い。
……それはそれとして。『Gファンタジー』という雑誌に掲載する以上、ファースト・コンタクトする読者は女性寄りになりそうなのですが(参考→先月号の連載陣)。
今はまだ「バトルアクションもの」としての側面は描かれてなくて、まずは「兄妹カップリングもの」としての側面からプッシュしているみたいですから、そっち方面で(ソッチ方面が好きな人から)認知されだすといいですねーなどと思う次第です。
とりあえず、電撃文庫版のイラストは割愛されてしまっていた「自宅でだけ露出度の高い私服妹」が、具体的に描かれている! というだけでも読む価値は高いんじゃないでしょうか。
原作についての過去記事
- 小説『魔法科高校の劣等生』の、愛すべきその世界(その1) - ピアノ・ファイア
- 小説『魔法科高校の劣等生』の、愛すべきその世界(その2) - ピアノ・ファイア
- ジュヴナイル小説としての『魔法科高校』の「らしさ」 - ピアノ・ファイア
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