『少年ジャンプNEXT』2011夏号で出色の読み切り
(ジャンプネクスト)| 集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト shonenjump.com
あの『魔人探偵脳噛ネウロ』の松井優征が読み切りで復活と聞いて、『少年ジャンプNEXT』を読んでみました。
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松井優征のファンなら、この読み切りだけでも「買い」の内容でしたが、このテの少年誌の増刊号で楽しみなのは、むしろ新人の読み切り作品。
野本秀幸「デマエストロZ」
この作者はまだ無名の新人で、これがデビュー作になるようです。アシスタント経歴なども不明。
「デマエストロZ」は、現代のとある腕利き料理人のお話。
まず、絵とヒロインがいいですね。
「戦っても強い料理人」というのはありがちなコンセプトですが、そこにデリバリー(出前)の要素を加えることで「戦う運び屋」系のテンプレート(もちろん運び屋ものといえば、人情で泣かせる展開がお約束!)に持ち込んでいるのが面白さでしょうか。
主人公(ヒロイン)が「偉大なる料理人(マエストロ)」と呼ばれる名誉職の見習い、という設定なんですが、その「偉大なる料理人」が(彼女の師匠を含めて)「世界に9名しかいない」という世界観の広がりを提示しているあたり、皆川亮二の『スプリガン』や『D-LIVE!!』なんかのエージェントものが好きな人にとっては萌える設定でしょう。
でも「戦う料理人」といえば、本誌連載の『トリコ』にかぶせた設定でもあるのか……。
ともあれ野本秀幸さん、名前を覚えておきたい新人作家のひとりに追加ですね。