HOME : リクィド・ファイア
 移行後のはてなブログ:izumino’s note

早大生による非常に面白い『ドラゴンボール』のレポート

阿部嘉昭ファンサイト: 『ドラゴンボール』における戦闘シーンのスピード感に関する分析(鈴木 研一郎)

 以前から「面白い」と思っていた、Web上で読めるレポートなんですがあまり知られていなかったみたいなので広めてみます。

 最後に、悟空の一人称が「オレ」になったこと。悟空といえば一人称は「オラ」であり、連載当初から(1巻15ページ)それは一度も変わらなかった。しかしここで常識が覆され、悟空は自らを「オレ」と呼んだ。この衝撃は大きい。大変な事態だ。スーパーサイヤ人になったことが原因か怒りが原因か定かではないが、今までの悟空ではないことは確かだ。この次のコマから悟空の猛攻撃が始まることは簡単に予測できる。


 以上により、「オレはおこったぞー!!!!!フリーザーッ!!!!!」からはじまる18ページを読み進める読者のスピードは、尋常でなく早いであろうことが予想される。そこで私が実験台となり、ストップウォッチでタイムを計ってみた。

 純粋に読み物としても面白く、漫画研究の視点から見ても鋭利な切り口を堪能できる名文だと思います。
 俎上に挙げられているのが、日本人なら誰でも知ってる『ドラゴンボール』って所がまた良い。


 原作だけでなく、アニメ版との比較検証も加わるのですが、

さらにその後、「えらそうなこと…」というフリーザの台詞が入る前に、なんとCM。カウンターはすでに12分38秒。1分53秒も使っておいて、進んだページは3ページ半。これがアニメ版のスピードである。この後の台詞を聞くためには、1分半〜2分程度のCMをはさむ必要があり、「ロート 子供ソフト」や「トーハト キャラメルコーン」や「ケロッグ コーンフロスト」のCMを何度も見なければならない。たまにはごろもフーズのCMも流れていたはずだ。いつもいつも同じ会社の同じCMだから、内容まで暗記した。とにかく進行が遅い。このスピードで進んでおいて、来週はナイター中継でお休みですなどと言うから腹が立つ。

……こんな洒脱な記述が大学のレポートでサラリと出てくるのだから凄い。いや、面白いです。早稲田大学おそるべし。