吉住渉と着せ替え漫画
古本屋で全巻安売りしていたので、吉住渉『ママレード・ボーイ』を読破(買ったのは単行本の方です)。
ママレはTVアニメ版(94〜95年,全76話)を先に観てたんですが、原作をちゃんと読むのは初めてになります。
逆に『ハンサムな彼女』や『君しかいらない』、『ミントな僕ら』なんかは(後追いで)ちゃんと読んでるんですけどね。*1
90年代前半の『りぼん』作品ということで、読者は小中学生の女の子になるわけですが。
吉住渉のキャラは可愛くて、その上、ヒロインの髪型変更や着せ替えをホント細かくやってまして、そういうマメな気配りが当時の少女漫画の生命線だったんだろうな、と、今見ると感心できます。作者も楽しんでやってたんでしょうけど、これが呆れるくらいに凄い丁寧。他の連載陣もこのレベルを維持できていたのかどうかは、ちょっと並べてみないとわかんないですけど。
実際、ストーリーを追ったりキャラに感情移入したりしなくても、着せ替えだけで充分「読める」し、それだけを目当てに楽しんでた読者も多かったんじゃないでしょうか。
「漫画」のメリットって、こんな風にヴィジュアルを凝れる所なんだなぁって再確認できますね。
そういう、ファッショングラビアとして漫画を楽しむ感覚っていうのは、少年漫画でも『天使な小生意気』や『魔法先生ネギま!』に受け継がれてる感じですね(天こなの西森博之の原点が少女漫画にあるという意味でもそうかも)。
そういえば『School Rumble』って、あんまり髪型変更や私服の着せ替えが印象に残らない漫画かもしれませんね、何故か(実際はしっかりやってる割には、という)。
沢近が髪型変えたり、美琴が髪切ったり伸ばしたりってのがポイントになってるにしろ、服装に関しては、普段からあんまり乙女乙女した私服を着てないから印象が強くないんでしょうか(結構こざっぱりした服装が多いので)。
あるいは、主線が荒い絵柄だとグラビア的な印象が下がるのかな。吉住・西森・赤松の絵柄は、確かに「主線の閉じた、くっきりした絵」ですし。あとフレーム(カメラワーク)的な問題もあるのかもしれない。これは今度から注意して読んでみようかな。