心理誘導で描くラブコメ/天乃咲哉『Doubt! 』1巻
電撃大王編集部より献本いただきました。今年の8月から連載の始まっていた漫画です。
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物語開始時ではヒキコモリの無職ながら、事業を立ち上げた経験もあってなぜか心理分析に詳しい少年が、借金返済のために高校に入学し(一年のダブり)、指定された女子生徒の身元を調査する依頼を受ける……というお話。
その調査で駆使されるのが……、専門技術として正しい名称があるのか知らないのですが、マインドリーディングやマインドトリックと言うんでしょうか。
最近のテレビだとメンタリストDaiGoさんが派手なパフォーマンスを見せたりしていますが、野球漫画の『ラストイニング』も思い出しますね。セールスマンや詐欺師の手口で、巧みに心理誘導(ミスディレクション)を行っていくアレです。
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と思ったら作者のプロフィールに『ラストイニング』のポッポが好きとあって、ちょっと納得。
ヒロインへの調査や接近という意味では、『神のみぞ知る世界』の主人公の攻略能力を、より現実的にしたようなテイストかもしれません。1巻時点では、ラブコメよりも「推理」や「捜査」のミステリ要素の方が勝っていて、カバーイラストの絵柄から受けるイメージ以上に、青年漫画のような硬派さを感じる漫画でした。
単にばくぜんと「頭の良さそうな主人公」で片付けず、具体的にどんな心理テクを使って問題解決しているのか……というのを実際に示しながら描いているラブコメというのは珍しい気がして面白いですね。