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キャラクターの内心が外側に反映される演出

 童話的なフィクションを好むオタクである、みやもさんの記事を紹介します。

身辺雑感/脳をとろ火で煮詰める日記: 哀しくなると雨がふる、嬉しくなれば鐘が鳴る… キャラクターの内心が外側に反映される演出(もしくは『ジュエルペットてぃんくる』の素晴らしきメルヒェン賛歌)


 物理現象からメタ的な演出にまで広げるなら、「心情に従って絵の構図が傾いて、重力方向まで傾く」という手法がありますよね。
 以前このブログで紹介した演出としては、今日マチ子『みかこさん』のこのコマだとか。

漫画的にキマった構図の気持ちよさ/ネットで読める『みかこさん』 - ピアノ・ファイア

今日マチ子 みかこさん今日マチ子 みかこさん


 左のページは雑誌で読んだ時にも「おっ」と思いましたけど、おもしろい。
 天地軸を90度回転させることで、「上のキャラから下のキャラへの」自然な重力が感じられるようになって、《彼女の口から/言葉が落ちてくるのを》というナレーションの「落ちてくる」という言葉通り、上から降りてくる言葉を下で受け止めるような気持ちになれるレイアウトになっている。
 気持ちの比喩でしょうけど、髪の毛も下向きにたなびいてるように描かれてますね。


 みやもさんのエントリでは、「単なる心象風景で終わるところを、実際の物理現象として実行する」というところにメルヒェン的な面白みを見出していたわけですが、「心情の変化に従ってガチに屋内の重力が傾く」は誰かやってみてほしい演出ですね!

ユング心理学シンクロニシティ

 ちなみに、「心理現象と物理現象が因果関係なしに一致する」ことをシンクロニシティ共時性) と言いますが、これは心理学者であるユングが提唱した言葉であったりします。


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 ユング派の心理学は、童話的なフィクションの理解に役立つものですから、これから紹介することも多くなると思います。