津田雅美のコマ割り分析
刺激的な漫画論のブログを見付けましたので、ご報告。
紫呉屋総本舗
津田雅美は、見開き単位で大きく紙面を用いることを好む作家でして、それを「ページまたぎ」という用語を使って捉えてみようという試みのようです。
でも実はぼくも、今月の『eensy-weensy モンスター』を読んだ時に、同じ部分に注目した感想をmixiにメモっていたんですね。シンクロしたことを考えている人はいるのだなと、ちょっと驚いたりもしました。
その時は、
カレカノの頃から顕著だった、見開き全体をモニターのワンフレームにしてしまうような演出が今回では大盤振る舞い。
……というようなことを考えていたのですが、津田雅美はページの一枚一枚、見開きの一面一面をソリッドに個別化されたものとして扱う感覚が強いのだと思います。
一般的な漫画の作り方としては、もっとリキッドで継ぎ目を感じさせないようなページ構成を意識している筈で、ネームを切る(コマに割る)際、まずシームレスなプロットを用意してから「コマ割りという形に定着させる」ことが多いと思います。
しかし津田雅美の場合は、初めから「ページ一枚」「見開き一面」という「単位構成」を意識してネームを切っている筈で、そうでなければああいうコマ割りにはならないでしょう。
以前も書きましたが、やはり津田雅美は、「ミニマリスト」として漫画を追究するタイプの人のように見えるのです。
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