HOME : リクィド・ファイア
 移行後のはてなブログ:izumino’s note

「やおい対ロリコン」の関係(3)

 ここで重要なのは、(やおいにしろロリコンにしろ)ある特定のセクシュアリティ性的嗜好)を理解しようとする時、そのジャンル内部において、緩やかな、あるいは段階的なグラデーション(階調分け)が存在するということでしょう。それこそが最も看過してはいけないポイントだと思います。


 前々日(id:izumino:20040804#p3)の日記とコメント欄で示したのは、同じ男性の欲情の仕方にも「自己中心」的な読み方から「他者同一化」的な読み方へと至る変化が存在するということでした。
 こういうグラデーションの存在は(ぼくの知る限りにおいて、おそらくは)女性においても同様であって、例えば「腐女子やおいでハァハァする時、自分の立場をどこに置いてハァハァするのか?」という質問をした時、「カップリングのどちらかの立場に共感しながら読む」という人も居れば、「いや、んなこたーなくて、カップリングの絡みを遠くから眺める立場で楽しんでる」と答える人*1も居ます。
 これらは同じカテゴリの「両端」を表した意見でしかないでしょう。個人がこの間を移動したり同時に併せ持つこともある筈です(感情移入もしつつ観察者という行為はさほど難しくない筈)。
 逆に極端に走る人というのも居るもので、時に端っこを振り切って外縁に飛びだしてしまう人も居るかもしれませんが。*2


 そして問題としてありうるのが、こういったグラデーション構造に対して、外部からの「偏見」が生じる可能性があるということ。見聞きした一部分の例に囚われ、それがそのジャンル内部の全てだと勘違いしてしまうケースでしょう(身近に少数の異性の友達が居ると、特に偏見が起こりやすいらしい)。
 次に問題なのが、同性同士で「内ゲバ」が発生する可能性があるということですね。男性同士の内ゲバがいかなるものかは前々日のコメント欄にかくあった如き(まさかあんなに反発されるとはなあ)ですが、同様のことは腐女子同士であっても時に起こりうる出来事ではないでしょうか。

*1:ネットの印象的にはこちらが多数派っぽい

*2:男性でいえば悟り系女装に走ったり、腐女子でいえばなんちゃってFtMゲイを自称しちゃったり、とか