丸川トモヒロ『成恵の世界』7巻
個人的に丸川トモヒロに付けているキャッチコピーは「椎名高志の後継者」。あるいは「若々しい椎名高志」。
んで椎名高志の原点にはるーみっくワールドが広がっているので、高橋留美子の孫にあたる漫画家だと思ってるんですが。同じ説を主張してる人はみかけないなあ。丸川さんがシイナをどう思っているのかは是非知りたいのだけど。
丸川トモヒロの描く、少年の心とSFマインドに裏打ちされた優しい世界が好きだ。
特に今回は「機族」と呼ばれる、人間の姿をして人間と共存しているロボット達(何故か女性型しか居ないけど)のドラマがメインなのだけど、丸川トモヒロによるAIの描写は非常に可愛らしい。AI萌え、ロボット萌えという属性の漫画は数あれど、その中でもかなりのもんだとぼくは思う。
とまぁ、柄にも無くセンチメンタルな感想を書いてしまいたくなるくらい好きな漫画なのです。
シーンの繋ぎ合わせ方やアクション描写にまだ難があるものの、作者には今後大きなストーリーを展開するつもりがあるようなので是非頑張って描ききって欲しい所ですね。
あと赤松健論のAI止ま編にも繋がってくる話なんですが、『成恵の世界』は第1話でボーイ・ミーツ・ガールした主人公達が次の話からは殆どバカップルみたくなっていて、それでも話が成立しているのが凄い。まぁそれはSF漫画という形式あったればこそなんですけど。中学生カップルだから「恋愛以上」には行けませんしね。
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山本英夫『ホムンクルス』4巻
人の深層心理やトラウマを「怪物のような姿」に置き換えて見ることのできる能力に目覚めた男の話。
とにかく「なんでも絵で説明しちゃう」っていう意味ではむちゃくちゃマンガマンガしている漫画。でもちょっとそろそろ荒唐無稽すぎる所が出てきたかな。人間の心理がそんな単純化できるもんだったら困るぜ、っていう。
でも面白いです。繰り返しになりますが「絵でドラマを読ませる」ことにかけては非常にプリミティブな魅力のある漫画だと思います。
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今週のデカレンとプリキュア
両方セットで評価したい。素晴らしい。
こういう素晴らしさは日記で書くよりも会話で伝えたくなります。最近「書く」以上に「喋る」ことによって感動や面白さを人と共有する機会が増えてきていますから、特にそう感じますね。
というわけで感想はまた後で。
『特捜戦隊デカレンジャー』第45話「アクシデンタル・プレゼント」
つっても誰かに迷惑電話して話し込んでいたわけでもなくて、ずっと昼寝していたわけですが。
プリキュアとセットで評価したい、っていうのは「むちゃくちゃ低予算臭いのにこの面白さはなんだ!」って所。プリキュアは青山充一人作監の回で、芝居は殆ど歌を唄うだけですしね。プリキュアに関してはまた後で語るとして、今回のデカレンは総集編を兼ねてバンクを使いまくりつつ、怪人も再利用するし、ロケーションはそこらへんの道端かテレビスタジオ(小道具もいわゆる「ありもん」の類)で、演出はCGによる画像処理に頼りまくり。怪人のサナギ状態はアホかというくらい投げ遣りな造形だし、宙吊りの特撮(あれは特撮とかそーいうレベルじゃないよな)に至っては「別にいーよね、ピアノ線見えたって。年末進行だしな!」と叫ばんばかりのいーかげんさだ。油断してるとボスのキャラも崩れてきてる始末。
しかし何故こんなにも面白いのか!
デカブレイクのトルネードフィストが避けられ、サンダーフィストやファイヤーフィストがまるで相手に通用しないあたりで大爆笑。こうなるともう「ギャグだったらなんでも許せる状態」で、笑いを取るのは予算じゃねえなあ……と実感させていただきました。
ちなみに脚本は横手美智子。流石だぜ。それとテツの役者の人は予想しないベクトルで演技が達者になったなぁ、と(笑)。
余談ながら、戦隊シリーズお約束の「ヒロイン七変化」はデカレンじゃあせんのでしょうかね。最初、今回が七変化話なのかと思ったものなのに……。まぁ、“girls in trouble! DEKARANGER”の映像では七変化みたいなことをしてるから、いいのかな。