丸川トモヒロ『成恵の世界』7巻
個人的に丸川トモヒロに付けているキャッチコピーは「椎名高志の後継者」。あるいは「若々しい椎名高志」。
んで椎名高志の原点にはるーみっくワールドが広がっているので、高橋留美子の孫にあたる漫画家だと思ってるんですが。同じ説を主張してる人はみかけないなあ。丸川さんがシイナをどう思っているのかは是非知りたいのだけど。
丸川トモヒロの描く、少年の心とSFマインドに裏打ちされた優しい世界が好きだ。
特に今回は「機族」と呼ばれる、人間の姿をして人間と共存しているロボット達(何故か女性型しか居ないけど)のドラマがメインなのだけど、丸川トモヒロによるAIの描写は非常に可愛らしい。AI萌え、ロボット萌えという属性の漫画は数あれど、その中でもかなりのもんだとぼくは思う。
とまぁ、柄にも無くセンチメンタルな感想を書いてしまいたくなるくらい好きな漫画なのです。
シーンの繋ぎ合わせ方やアクション描写にまだ難があるものの、作者には今後大きなストーリーを展開するつもりがあるようなので是非頑張って描ききって欲しい所ですね。
あと赤松健論のAI止ま編にも繋がってくる話なんですが、『成恵の世界』は第1話でボーイ・ミーツ・ガールした主人公達が次の話からは殆どバカップルみたくなっていて、それでも話が成立しているのが凄い。まぁそれはSF漫画という形式あったればこそなんですけど。中学生カップルだから「恋愛以上」には行けませんしね。
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