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「彼女」を描く少女漫画/二区 『ツイテル彼女。』1巻

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  • 左が紙書籍版、右がKindle


 Web連載で見かけたのが面白そうだったので、電子書籍で購入してみたのですが、たいそう面白かったです。
 ちなみにこのタイトルの「ツイテル」は、雑破業原作の『ツイてるカノジョ』の「憑いてる」ではなく、あそこにアレがついてる、つまりふたなりのヒロインが「彼女」というコンセプトになっています。


 で、特に何がよかったかというと、作者が「(マイノリティ専用の)少女漫画です」と書いてるところ。
 社会人ラブコメで、主人公は男ですし、「少女漫画?」とツッコまれることも予想して書いていると思うのですが。
 ヒロインが男性向けの二次元キャラのような題材にも関わらず、単なる男性向けの妄想で終わらないところがいいと思います。


 このヒロインは女として生まれて後天的に「生えてきた」パターンの半陰陽なのですが、だから社会的にも精神的にも女性として育っていると同時に、下半身に由来する性欲も備えている、という解釈で描かれています。
 そのため彼氏役の主人公と下ネタ話を共有できるのも面白いところなのですが、同時に男としては後ろの穴を彼女に狙われていることに怯えてたりもする。ところどころ性役割が逆転することの面白さです。


 男の妄想として扱われがちなヒロインを少女漫画として描いて、(実際に少女漫画になってるかは別として)「ヒロインが男のために存在しているのではなく、相手役の男もまたヒロインにとって都合のいい恋人になっている」という視点も両立できている面白さは、先月コミックスが出た『カスタマイズ彼女さん』の面白さにも通じますね。


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 この作品も「二次元美少女が好きな美少女」という、「オタクの妄想」的なヒロインなのですが(ちなみに腐女子ではない)、単に男にとって都合のいい萌えキャラ、という扱いで終始していないのが魅力的。
 彼氏役の男の方が、非常に甲斐甲斐しくヒロインと付き合おうとするので、「やっぱり少女漫画なんだな」という読後感に繋がっています。


 というか、女性的なセンスで描かれた「○○彼女」というタイトルの漫画は、掲載誌がどこであれ、主人公が男でヒロインが美少女だとしても、だいたい上記のような描かれ方をしている気もします。


 作者自身もヒロインを可愛いと思って(やや男性的な欲望も混ざった可愛さを込めて)描きつつ、同時にヒロインが置き物にならないような恋愛を描く。


 そういう作品は、男性視点で読んでも女性視点で読んでも安心して楽しめるので、ジャンルに関わらず支持されてほしいなと感じています。

『ツイテル彼女。』がWebで読めるサイト一覧


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