部活もの作品の傑作/『放課後ウインド・オーケストラ』全4巻完結
宇佐悠一郎『放課後ウインド・オーケストラ』1,2巻
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宇佐悠一郎『放課後ウインド・オーケストラ』3,4巻
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間違いなく『ジャンプSQ』が輩出した作品の中では、最高の傑作です。断言。
しかしこれだけ面白いのに、最終話は単行本描き下ろし&プレ最終話は増刊号掲載の憂き目に遭うとか、SQ編集部の冷遇っぷりはホントに酷かったんですけど。
人気本意で考えるなら解らなくもない判断だったのですが、扱いは不当だったと思うしかなく……。
打ち切りによる尺不足でワリをくったキャラクターも確実にいるので、尚更ですね。まさに編集部を恨みたくなるレベル。
しかし、全4巻で伝えるべきテーマをちゃんと描ききった作者には拍手ですね。
「部活モノの少年漫画」というフィールドで最終的に出した結論は、「結果」を残すことでもなく、「思い出」を残すことでもなく、「感情の色」を残すことだった――、と受け取れるラストでした。
この答え自体は2巻の時点ですでに形になっていて、予想できるテーマだったのですが、言葉で予想するのと、主人公の成長ドラマとして描かれるのとではやはり大違いです。
素晴らしい。みんな読みましょう。
あと、(実際やると微妙な思いをしてしまいそうですが)このストーリーで実写映画になったものを観てみたいなぁと感じる作風でした。(美少女と、いい人だらけということだけを除けば)それくらい「日常の感覚」に密着した作品だったのだと思います。*1
関連リンク
miyamo_7 | なにやら面白そうな漫画について盛り上がってる連中がいるようだよ!気になるね!(巧みな誘導) RT @izumino『放課後ウインド・オーケストラ』完結TLまとめ http://pixiv.cc/izumino/archives/1537330.html |
*1:余談ながら、ぼく自身はふだん「天才ものが好きな人」というキャラを作っている所があるものの、『放課後ウインド・オーケストラ』はまったく普通人の物語で、でもだからこそ大好き。高校生の部活モノとして比べるなら、天才が主人公の『ちはやふる』よりも全然『放課後ウインド・オーケストラ』だなあ、と思うくらい