神のみぞ「見る」
備忘録的なメモです。メモなので特にオチはありません。これも漫画の研究の一端なのですが。
最近「神の視点」という概念について色々考えていたのですが、この「その場に居ない第三者を神になぞらえる」という発想は、非常に西洋的なロジックに基づいてるんですよね。
だから、その言葉を不用意に日本人が使うと、軽く語弊を伴う可能性もあります。
正確に言うと、西洋人は「誰も知らない」と言いたいときに「Nobody knows」とか「No one knows」とか、「誰でもない者が知っている」という遠回しなロジックで表現するわけですが、このロジックは「神のみぞ知る(God only knows, Heaven knows)」という言い回しと共通しています。
ちなみにちょっとネットで調べてみると、
- フランス語:Personne ne sait
- イタリア語:Nessuno sa
- スペイン語:Nadie sabe
- ポルトガル語:Ninguém pode saber
- ドイツ語:Niemand weis
- オランダ語:Niemand weet
- ラテン語:Nemo teneo
……これらは全部「誰でもない者が知っている」っていう論法の熟語みたいですね。*1
ラテン語の時点でこういう言い回しがあるということは、本当に欧米人の思考の根っこに根ざしたロジックなんだなあという気もしてきます。文化が違う!
ちなみに中国語だと「誰也不知道」で、ちゃんと「不知=知らない」という否定文になるみたいですね。
こういう西洋的なロジックから考えてみれば、元々「神の視点」というのは「誰のものでもない視点」という意味合いが強かったんだろうな、と想像できます。
勿論、文字通りの意味で「超越的に世界を俯瞰できる権利を持った者の視点」というニュアンスもあるんでしょうけど。
小説の三人称にしても、人格を持った「誰か」が語っているのか? 「誰でもない者(存在しない者)」が語っているのか? ……という認識の違いが出てくる問題ですね。
そして予告通りオチ無しです。
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*1:間違ってたらすみません