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プリキュア面白い

 数少ない、毎週観ているアニメのひとつである今期のプリキュアなんですが、ヒロイン同士の「仲の良さ」の表現の仕方が前期とは全く違うので面白いです。
 瞬間最大風速では当然前期のふたりの方がまだ上なんですが、アベレージで言えば今期のふたりの方が仲いいんじゃないかと思うくらい。

 前期の二人は「ケンカして仲良くなる」「一緒に戦うことでどんどん仲良くなる」といった感じの積み重ねで絆を表現していたわけですが、今期では


「ケンカする前から仲がいい」
「戦いとか抜きにしても仲がいい」


といった感じで、仲の良さに根拠がナッシングな所が素晴らしいです。
 まぁ、子供の頃の出会いとかが伏線としてあったにしても、純粋に「相性がいいから好き」の世界というか。
 今回みたいにちょっとした不和があっても、「やっぱり私達って仲良かったんだね」みたいな確認作業イベントでしかなかったりとか(気まずい関係を乗り越えて、その反動で仲良くなった、という描き方ではない)。
 プリキュアであるということも、単に「一緒に居られる時間がそのぶん長くなるだけ」、程度にしか感じられませんし(他の作品で言えば、部活が一緒だとか、家が近所だとかと似たようなレベル)。


 男は割と、友達とかを好きになっていく過程で「根拠」になるようなイベントを必要としたがる(それこそ「一緒に戦った」とか「恥ずかしい所を見られた」とか)生き物だと思うのですが、逆に女側の価値観だと「元から理由なんて要らないのが理想」みたいな所があるんじゃないかな、という観点で見ると面白いかもしれませんな。


(別にプリキュアの描写がリアルだとか言いたいわけじゃなくて、メイン視聴者である女児の気持ちとして馴染みやすいかどーかって話ですね。)


(とにかく咲と舞の関係描写は「こんなに互いを好きになるような描写なんかあったっけ?」とツッコミたくなるような代物──「何故この二人は相性がいいのか言葉で説明しなさい」と問われたら大抵の人は答えに悩む筈──なんですが、そういう「理由なんかを飛び越えて仲良し」な関係の方がむしろ強えなぁと思うわけです。めちゃくちゃ輝いて見える。)


(もし仲良くなるのになにかしらの理屈やイベントが必要だとすると、「じゃあ、もしそのイベントが起きてなかったら仲良くなれないのか?」っていう発想も湧いてしまうので、それだと弱いように感じるんでしょうね。こういう「タイミングが悪かったら好きにならないのか?」問題は、恋愛モノでは時々主題化されるテーマでもありますが。)


(前期のプリキュアでも、「もしなぎさとほのかがプリキュアに選ばれてなかったら?」という思考実験をしてしまう視聴者は少なくない──しまいにはIfストーリーを作って補完したくなってみたり──と思うんですが、今期はその前提をクリアしてるってことでしょうね。)


(かといって「特に理由も無いのに好きになる」という感情を自然に伝えるのはかなり難しいと思う──大抵は先述したように「そんな描写あったっけ?」と違和感を感じさせてしまう──ので、咲と舞の関係はかなり絶妙なバランスで描かれてるんだろうなぁと思います。)


(まぁくどくど書いてきましたが、詰まる所「このふたりの仲の良さは異常」「とっとと咲は舞を押し倒すべき」と言いたいだけです。←人とプリキュアの話をする時には毎回これ言っててきもい。)