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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

マイブーム

 ぼくは元々島本和彦のファンなんですが、『炎の転校生』がマイブームです。ギャグのセンスはもとより、画力と構成力といった表現力が素晴らしすぎ。20年前の、デビュー作同然の作品なのに。
 しかし「漫画力が無いからドラマが描けない」「表現力に頼って熱血度を上げているだけ」「バカ漫画の表現もかしこ漫画の表現も突き詰めると詭弁の言った者勝ちなんだ」といった、研究者的態度で描かれた漫画だという、島本和彦の本質が既に露骨に出まくってるのが一番の見所ですね。


 島本和彦の漫画って、本人は「男の熱さ」を追求してるみたいなことを言ってますけど、どう見ても単なる「島本和彦による熱血まんが論」「少年漫画の主人公論」であって、炎転も逆境ナインニンジャマンも「全ての熱血まんがの主人公がこういう行動をしなければならないと思っていただきたい!」っていう持論の発表場所なんですよ。じっくり読むと解るんですが。
 島本のネームに書かれている「男とは」は、全部「主人公とは」に置き換えられるわけで、少年漫画論として読めば非常に教訓的です。
 「漫画の主人公は、こういう信念を持っているからこそ読者は熱くなれるんだ!」という主張をネームで表現しているのであって、「島本作品を読んで熱くなれるか」どうかは別問題、という(笑)。*1
 こんな読み方してる島本ファンは少ないと思いますけど。

  • 追記

 まぁ勿論、『逆境ナイン』のようにギリギリのラインでドラマが成立している例や、『スカルマン』のようにドラマを真剣にやろうとして結局壁にブチあたる例もあるわけですが。

読書メモ

 あとは『成恵の世界』8巻が良かったので、また椎名高志の『絶対可憐チルドレン』と比較したくなってきました。「年取った椎名高志」はむしろ丸川トモヒロに近付いてきてるような。


 売れセンで話題になってる『ドラゴン桜』も部分的にチェック。面白っ。こりゃ人気出るわ。

*1:で、大抵の島本作品は「ドラマ」に欠けているので実際はそんなに熱くない(表現的には熱すぎるくらいですが)