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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

アニメ版『苺ましまろ』が意外に良い

 とぼふさんが誉めていたから興味を持って観てみたんですが、確かに演出の「間」が秀逸。素晴らしい。
 「自分はカッティング好きだということを再認識」というのも同じ気持ちで、作画枚数とかは少なくていいんだから、編集の妙技で笑いを取るギャグアニメにしているのが良いです(逆にホントどーでもいい筈のシーンで作画を懲りまくって笑いを取ったりもするから更にウケますが)。
 ちなみにぼくがカッティング重視の思想を持ったのは、『ニュータイプ』で岡本喜八庵野秀明の対談を読んだ影響からだと思います(両監督ともにコマ単位の編集に対する強いこだわりがあった)。


 細かい点でも気配りの利いているアニメで、まずキャラデザもいい(好みの問題だけど、原作の水彩的な塗りより、不透明塗料的なベタ塗りの方が映える気がする)し、最年長のキャラの設定変更(伊藤伸恵16歳が20歳へ)は視聴者が感情移入しやすい方向に修正されていて好感が持てます。原作の方は、どこにも感情移入のしようがない漫画なので。


 これだけアニメ化が良い方向に向かってる番組も珍しいんじゃないでしょうか。
 ってまぁ、なんでこんなにホメてるかというと、個人的に原作の『苺ましまろ』に対して感じていた「とっつきにくさ」を悉くクリアにしていると感じたからなんですけどね。
 トータルで評価すれば、結局の所「渋い演出アニメ」でしかないので、人には勧めにくいかもしれません。