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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

「能力系バトル」ブームへの疑念(さて次の企画は)

 で、少年漫画論の流れから気になっている議論。
 うーん、凄く割り込んでコメントしたいことが(某氏の受け売りもコミでですが)山積みなんですけど……。うまくまとめる時間的余裕が無いな。
 特にこういう所とか。

その問題と同根なのではないかなと思いつつ、個人的に気持ち悪くてしょうがないのが、主として小中学生がハマっている「努力を要しない天才たちが主人公の物語」だ。「テニスの王子様」しかり「機動戦士ガンダムSEED」しかり。どうにもああいった傲慢・横柄な主人公へのシンパシーを、どのように受取手が感じているのかが、オイラには非常に分かり難い。

 『テニスの王子様』の主人公は初めに英才教育を受けている筈で、努力してないことも無いと思います(最初部長に負けてるし)。と、いう以前に、しょっぱな以外は努力しないで戦い続ける主人公と言えば『聖闘士星矢』がまさにそういう話ですし。
 「努力・友情・勝利」のジャンプ三原則のうち少年漫画に必須なのは実は「勝利」だけで、努力と友情は勝利するための「よくわかんないパワー」の源でしかないと思うんですね。それが『キン肉マン』だと火事場のクソ力や友情パワーであり、星矢なら小宇宙やセブンセンシズだったりするわけでしょう。
 「過去の(自分が読んできた)少年漫画」には「努力と友情があった(=王道)」けども、「今の(子供達が読んでいる)少年漫画」には「努力と友情が無い(=王道から外れてきている)」、というような規定が先にあるような気がするんですが、どうでしょうか。


 「努力を必要としない少年漫画」と「能力者バトル少年漫画」はまた別の話なんですが、それはまた機会があれば。
 それに、モラトリアム問題を語るのなら、メジャー少年漫画自体が変化してどうこう、ではなく、「大人になっても少年漫画を読んでいる」あるいは「少年漫画の形式を借りているが少年漫画マインドの無い大人向け or マニア向け漫画が普及している」という環境の方に問題がある筈で、少年漫画と大人向けコミックを分けて論じた方がいいんじゃないですか……とかコメントしたいんですけどああ詳しく書いてる余裕が無いのです。