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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

今木さんが夏目房之介に触れてますが

 どうもです。
 ここでしようとしていた話は、ずばり夏目さんがBSマンガ夜話キン肉マンの回)で語っていた少年漫画論の延長なのでした。本当のガキ向けの少年漫画の場合、「凡人vs天才」の構図より先に「子供vs大人」の構図があるんだと。「ダメ超人」であるキン肉マンは、「努力型の凡人」である前に「大人にバカにされる子供」なんですね。本来、子供は努力しても大人には絶対勝てない。だから「大人に勝つ」という夢を叶える為に「よくわかんないんだけどすごいパワー」(火事場のクソ力や友情パワーなど)が出てくるんだっていう話です。
 で、なんでそんなパワーが出るかというと、主人公が「勝ちたい」という意地を見せるから。少年漫画の役割とは、そういう「勝ちたい」気持ちや勝った時の嬉しさを、子供に伝えることではないか、と思います(そううまくはいかないんだよ、ということを教えるのはまた別の話。最初から世間の厳しさを教えたら「勝ちたい」という気持ちも萎えるでしょう)。


 あと夏目さんが言ってた台詞で「この歳でキン肉マン読むと辛く感じることもあるけど、俺達がガキの頃読んでたのも多分こんなのだったんだよ」というのがあって、これはそのまま、キン肉マン世代がテニプリやなんかを読むことに関して当て嵌まるように思えますね。