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『次元往復』のエッセイへのレスポンス

 漫画家の砂(id:sandworks)さんから、以前書いた『次元往復』の感想にコメントを返していただけました。うわー、ありがとうございます。

うーん、ここはちょっと期待とは違う読みをされたようです。(中略)もちろん、永山さん(永山薫)のような希有な例もあるけれど、どうもそれは期待できるほど多くはなさそう。多かったらよかったんだけどね……。まあ、だから「いま一息よ」なわけです。

 なるほど、ぼくなんかは永山氏を見習おうぜ、とまずそこに行っちゃうわけなんですが。今それだけだと難しくて、別の「あと一押し」があるということですね。


 ユングに関して。ぼくは(心理学や思想というより)神秘学のひとつとして捉えているので、あまり理論的な説得力は期待していなかったりします。ただ、理論で語りがたい事柄(萌えなんてまさにそうでしょう)に対しては、時々オカルティックなアプローチで補強してもいいんじゃないかな、と思っています(人がやってないことをやりたいだけだったりしますが)。
 プリキュア自体には、それほどラディカルな発見は含まれていないような気も。ただ、子供に届くような表現で描かれている、という点では注目していい番組だと思います。件の美術館の回も、「女の子が女の子に憧れること」を肯定的に描いた話ですし。
 マリみてが「大奥モノ→女子寮モノ→スール制度」というラインで「女性に囲まれた別世界での、上下関係を軸にした女性関係」を描いているとすれば、プリキュアは「海外のルームメイトもの→NANA→似てない女の子同士の友情」というラインで「現代社会での、対等的な(非・上下関係的な)女性関係」を追求していると説明できなくもないかな……? とか。まだ予想の段階ですが。
 プリキュアよりですね、(しつこくプッシュしていてアレなんですが)まだ未読でしたら、つだみきよの『プリンセス・プリンセス』をお奨めしたいです。あれはまさに「女になること」「見る/見られる存在になること」を女性側の視点から描いた(作者はそのことを全然意識していなくて、かなり偶然の産物のようですが)作品だと評価していますので。