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『GUNSLINGER GIRL』第1話

izumino2003-10-10

 薫さんとこのコメント欄に出張してたんですが、一応こっちでも1話目の感想。

 ヘンリエッタが怖いですね。というか、わざとらしく「無表情な少女兵士アーキタイプ」として描かれていて、むしろ気持ち悪さを前面に出している感じ。意識的に原作のほのぼの感が抜かれて悲壮感オンリーな演出。その代わり、洋画的な構図や長尺、芝居の雰囲気は出てます。あと江原のヒルシャーは渋すぎ。
 えー、第1話に関する問題意識は、無表情なヘンリエッタのマイナーチェンジに集中しているんじゃないでしょうか。でも「1話目だけ観るとただの暗い子だけど2話目でジョゼさんと絡んで可愛らしい表情を見せる」んでしょ、ってトコまで予想がつくのはまぁ大前提。じゃあなぜ原作冒頭のヘンリエッタは笑顔を見せたり赤面したり泣いたりしているのに、アニメ版冒頭ではそう描かれないのか。
 仮に、相田裕の中の「ヘンリエッタ萌え」が「この子はこういう設定なのに微笑むから萌えるんですよ」だとすれば、アニメ版のそれは「この子はこういう設定で、その後こういうドラマで微笑んだりして可愛いところを見せるんですよ」という感じ。
 アニメでは、「設定」から「可愛い」まで行き着く間にタイムラグが用意されているような。これが一番の違いじゃないでしょうか。
 原作では、「その後こういう〜」をすっとばして最初から「萌え」に直結しちゃっている。反対に、アニメ版はドラマ仕立てにすることで「萌え」に繋げようとしている。するとなるほど、アニメ版はプロの仕事だなあ、と思います。逆に原作はやはり同人っぽいと言えるでしょうね(同じ趣味の読者だけが楽しんでくれ的な意味では)。

 ただ、原作もアニメも一長一短で、アニメ版は脚本的には正しいかもしれないけれど「萌え」や既存の戦闘美少女モノに対するカウンターや新しさには欠けている。「戦闘美少女の系譜」の上に真っ直ぐ乗っかっている感じですね。それはそれで楽しめるから、ぼくはアリなんですが。
 というわけで、結論はアリということでした。