子どもと犬の物語/『映画ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス!』感想
- 劇場で捺した記念スタンプ
映画ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス
ドキプリの映画観ました。フックとなる「マナ結婚」はあくまでストーリーの大枠で、メインテーマとしては犬好き直撃のヤバイ泣ける映画でした。
ペットとしての「犬」はプリキュアシリーズで度々登場してくるモチーフですが、「子どもが自分の一部であるかのように一体感を感じているペット」としての描き方がこの映画では群を抜いています。
そもそも「一体感を伴うペット」はマスコットキャラの妖精たちがすでに担っている役割ではあるんですが、それでも「犬」と(犬好きの)人間の絆は、歴史と本能から来る重みがあって、妖精とのそれを超えるということかもしれませんね。
また、ペットとの死別も「人生経験」の一種であるわけで、主要客である幼児らにとってこの映画は、共感するものではなく「これから起こるかもしれないこと」でしかないでしょう。
逆に、人生経験のある大人や、主人公のマナと同世代の学生らにとっては「共感」や「同情」を伴う映画になりうるわけで、例年以上に「大人にも子どもにも向けて作っている」と感じいるドラマでした。
また、犬とマナの関わりを通じて、彼女の精神形成を描いた物語にもなっている。
マナは由来抜きにあんな性格になったのではなく、ちゃんとその原点があることが理解できます。
ペットとの死別というトラウマを、未然に防ぐドラマとして眺めると、精神科医ヴィクトール・フランクルの人生観を連想する部分もありました。
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生きる目的を自分の内面の中に求めることはやめて、自分以外の世界から求められている何かを探すべきだという、フランクルの考えがちょうどマナの精神形成に当てはまっている。その点で優れた児童文学になっていると評したいものです。
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