漫画購入録/天乃忍『ラストゲーム』1巻
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絵がいいなーと思って、短篇集『夏のかけら』を以前買ったことのあるのが天乃忍さん。
- 作者サイト:ヒグラシ
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その天乃さんの最新刊である『ラストゲーム』の表題作(全3話)は、元々、短期集中連載というかたちで去年の『LaLa』に載っていたもの。
……なのですが、この第二刷のオビに書かれているとおり(→初版のオビ)、今年の『LaLa』2月号から続編が連載化しています。
もちろん、単行本の3話だけでも充分完成したラブコメディなのですが、この続編の展開の方も面白いので、続刊が楽しみですね。
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人気のある読み切りや、集中連載から、連載化へ……というパターンは珍しくないと思います。
でも元々の集中連載では、小学生が大学生まで進学するところまでを描いて終わりだったので、必然的に「続編は大学生からスタートする」という、『LaLa』のラブコメ作品としては珍しい部類のストーリーに発展しているのが気になるところです。
しかし「優等生に張り合おうとするエリートの恋愛」っていう、「いかにもLaLa!」って言いたくなる設定だったりとか、無口系黒髪ロングのヒロインだとか、白泉社系のラブコメ好きには注目の作品ですね。
まあ設定自体は、少女漫画(特に白泉社系?)によくある黄金パターンのお話だとは思うんですよ。
はなのみ亭 『ラストゲーム 第1巻』天乃 忍
お金持ちで世間知らずのお坊ちゃまヒーローが、苦労人ながらもあくまでマイペースなヒロインに振り回されるラブコメ。
でも王道パターンで良いじゃないですか、私このパターンのお話大好きなんです、昔から!
このパターンに、全三話ストレート直球勝負で描かれている姿勢がいさぎよいなあと、読んでいて思いました(笑)。
そしてそれが本当に面白い♪
三話ごとにきっちり区切りがついていて、テンポもよくて飽きません。
いたるところでときめいて、読んでいて本当に幸せになれる少女漫画でした。
(ちなみに私が読んでいて思い浮かべたのは、川原泉さんの作品かなあ。ヒロインのマイペースさに同じ空気を感じます!ちょっぴりレトロな雰囲気にも何か通じるものが。)
それに続編では、「LaLa的な学園ラブコメ」のテイストで描かれているにも関わらず、大学生のキャラクターを描くことになるわけで、「普通の少女誌のラブコメ」や「女性誌のラブコメ」にはない面白さが出てくると思います。
なので、ふだん少女漫画を読まない人にも薦めやすい作品かもしれませんね。