HOME : リクィド・ファイア
 移行後のはてなブログ:izumino’s note

『星の王子さま バンド・デシネ版』がとても良かった

星の王子さま バンド・デシネ版 (Le Salon des livres)星の王子さま バンド・デシネ版 (Le Salon des livres)
ジョアン・スファール 池澤夏樹

サンクチュアリ出版 2011-05-23
売り上げランキング : 8515

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

池澤夏樹さんより
サンテグジュペリの『星の王子さま』はすばらしい。
 言うまでもなく永遠に読み継がれる傑作だ……けど、あの王子さまはちょっとお行儀がよすぎないか? あの歳の少年はもっと活発で、奔放で、感情の幅だってもっと広いのではないだろうか?  そこのところをジョアン・スファールは巧みに絵にした。言葉は原作とあまり違わないのだが、絵のおかげで印象がずいぶん違う。ぼくの翻訳はそこを汲んで、ぐんとくだけた、いきいきした文体にした。
フランスのマンガ、コミック、BD(バンド・デシネ)には日本とは違った長い歴史と豊かな蓄積がある。それを踏まえてのスファールのこの仕事であるということも伝えたい。

サンクチュアリ出版 イベント::『星の王子様 バンドデシネ版』刊行記念イベント 池澤夏樹さんトークショー@渋谷


 声優の池澤春菜のお父さん……としても知られる翻訳家、池澤夏樹の翻訳だというのも興味をひいて買ってみたのですが、これはアタリでした。
 BD自体も、ぼくはそれほど読み慣れていないのですが読みやすかったですね。


星の王子さま (新潮文庫)星の王子さま (新潮文庫)
サン=テグジュペリ Antoine de Saint‐Exup´ery

新潮社 2006-03
売り上げランキング : 3820

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 実を言うと原作のサン=テグジュペリが描いた『星の王子さま』は個人的に好みではなくて。
 池澤夏樹が言うように、「ちょっとお行儀がよすぎ」た絵ではなく、痛ましい影すら感じるスファールの絵は感情移入のしやすいものでした。


 単純に好みという意味でなら、ぼくはゼルダの伝説の「風のタクト」の絵柄を連想させるタッチが好きなんでしょうけどね。


ゼルダの伝説 風のタクトゼルダの伝説 風のタクト

任天堂 2002-12-13
売り上げランキング : 1093

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

  • これがスファールの絵柄と似てるか? というと「別に似てない」って感じる人も多いと思いますが、ぼくの感覚にとっては「荒木飛呂彦がベラスケスのマルガリータ王女と奈良美智が描く女の子と愛子さまの顔の可愛さに共通点を感じる」のと同じくらいには同じテイストを感じるのです