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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

ウェブコミックの研究と、「部活漫画」の昨今

 昨日のComic TreasureGUNPさん(「杜講一郎×さくらあかみ」の二人ユニット作家さん)のブースに挨拶しにいった時、Web漫画誌の「ブラッド」で始まった新連載について、杜さんとちょっとお話ができました。

 この第一話、ウェブコミックとしてはかなり読みやすいって所にまず感心させられますが、この見やすさってのはGUNPさんがHPで漫画をアップしていた長いキャリアを持つからでもあるんでしょうね。


 ブラッドについて色々話をお訊きしてみると、作者や編集者が工夫してどうこうというレベルではなく、メディアとしてのシステム(サイトブラウジングや企業関係や流通のシステム含む)の問題が山積みになっている世界でもあるよう。


 いまんとこ泉信行は「紙媒体のアナログコミック」専門に研究していることになりますが、来年あたりからは、業界全体において「デジタルコミックの研究」がかなり活発になるでしょうし、活発にしないといけなくなるだろうと予想しています。

部活漫画の描き方昨今

 そういえば『瞳のフォトグラフ』は部活漫画というジャンル(部活動は写真部)になるんでしょうけど、最近「ジャンプSQの漫画では一番おもろい」と身内で密かに流行っている『放課後ウインド・オーケストラ』(公式サイト)という作品があって、これも「部活漫画」ですね。


放課後ウインド・オーケストラ 1 (1) (ジャンプコミックス)

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宇佐 悠一郎

集英社 2008-07-04
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 取り扱っている部活動は「吹奏楽部」なんですが、そういう平凡な素材をおいしく見せる描き方として「あぁ、こう描きゃいいのか」という、改めての発見も多い秀作です。
 なんせ、ストーリーとしては主に「部活を立ち上げる」「その部活を存続させる」くらいしか基盤となるベースが無いにも関わらず……、フシギと盛り上がる話になってますからね(恋愛要素すら「あるようで、そんなでもない」程度だし……)。


 最近、少年誌*1でここまでストレートな部活漫画をやるのって珍しいと思いますが、「いかにもサンデーに載ってそうなくらいストレート」とでも言いたくなる一方、なんとなく「一昔前のジャンプっぽさ」も微妙に感じさせているあたりが、なかなか言葉にしにくい「風味」になっている気がします。
 絵柄で気に入ったら購入をオススメしますという作品ですね。書店とかでは品薄状態らしいですが、ちゃんと増刷されるかなー。

*1:SQが「少年誌」かというと微妙ですが、少なくとも「青年誌」以下のターゲットの雑誌、という意味で