漫画論の近況
ところで、夏目房之介さんがブログで、大学院での講義のレジュメを載せておられました。
?マンガの「読み」と表現4 視線誘導論
○ 様々なジャンル傾向と「読み」視線のパターン
参照 イズミノウユキ「視線構造」
?マンガの「読み」と表現5 画像とコマの構造
○ コマに関する理解
夏目、四方田、竹内、伊藤他
○ 諸表現の比較試論
浦沢直樹、佐藤秀峰、かわぐちかいじ他青年マンガの完成形
夏目・少女マンガのレイアー構造
伊藤・「萌え」系論
イズミノ・『ジョジョ』論
ぼくの筆名(イズミノウユキ)も出ていました。
そういえばまだ発売はされていないんですが……、夏目さんは『表現』という雑誌の連載でも、ぼくが『ユリイカ 2007年11月臨時増刊号 総特集*荒木飛呂彦』に発表した内容を「漫画による漫画論」の形で展開されています。
彦根屏風とジョジョ立ちの謎:夏目房之介の「で?」:オルタナティブ・ブログ
・・・・というような話を、最近ユリイカとかで活躍しているイズミノウユキ氏の「視線力学」の問題とからめて、「表現」誌(旧「文字」 ミネルヴァ書房 http://www.minervashobo.co.jp/find/details.php?isbn=04917-2 )の連載(現在唯一のマンガ連載!)「マンガ的思想」6pに描いてるところです。
ぼくはこっそりその原稿を入校前に読ませていただいたんですが(役得!)、やっぱり漫画のことは「漫画で説明するとわかりやすい」なぁ、と溜息が出ました(笑)。
このようにして、自分の論じたことが他の方々の道具として使われていって、「漫画」というものの礎になっていくというのは、大変嬉しいことです。