写真見て「痛い」
http://www.asahi.com/science/update/0501/TKY200705010002.html
肉体的な痛みを連想させる写真を見ると、実際には痛くなくても脳は「痛い」と感じる――。群馬大学大学院医学系研究科の斎藤繁教授らが、人が痛みを感じるときに特徴的な脳の活動を発見し、米国の脳科学専門誌に発表した。味覚など他の感覚と比べて、痛みには感情の動きが大きく関与しているためらしい。
男子学生10人に、注射針が刺さった腕の写真を5秒間見せ、「痛み」を想像してもらった。この時、機能的MRI(fMRI)と呼ばれる装置で脳の活動を調べると、10人全員で、本当に痛みがあったときに興奮する側頭葉の一部などが興奮していた。この部分は情動をつかさどっているとされる。
一方、花畑や湖の「平和的」な風景写真を見せた場合は、視覚野しか反応がなかった。
これは、ミラーニューロンの概念と、ダマシオの「仮想身体ループ」のシステムを組み合わせて考えれば予想のつく実験結果。少しずつ検証と解明が進められているということでしょう。
「仮想身体ループ」*1は以下の本をご参考に。
無意識の脳 自己意識の脳 アントニオ・R・ダマシオ 田中 三彦 講談社 2003-06-20 売り上げランキング : 26137 Amazonで詳しく見る by G-Tools | 感じる脳 情動と感情の脳科学 よみがえるスピノザ アントニオ・R・ダマシオ 田中 三彦 ダイヤモンド社 2005-10-28 売り上げランキング : 32859 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
大雑把に説明すると、「特定の環境を想像したり考えたりすると、実際その環境に置かれたような状態に脳神経が反応する」*2というシステムなんですが、これは、ミラーニューロンと並んで「何故人間は、フィクションに登場するキャラクターを見て感情移入したり、追体験を行えたりするのか」という問いを考える上でもキーとなるポイントだと考えています。
特にアクション映画なんて、「キャラクターがダメージを受けた時」「その痛みの度合いが観客に想像できるかどうか」が、その映画の面白さを大きく左右すると言っていいと思いますが、何故痛みを想像できるのか?という問いと共に、
想像できるというより、殆ど「ダイレクトに痛みを感じさせられている」のではないか
という疑問がまずあって、そこから感情移入や共感の仕組みをたぐり寄せれるような気がしています。
ドラゴン危機一髪 ジャッキー張りの自作映画
- ドラゴン危機一髪97(ドニーイエン主演)の戦闘シーンを再現してみました。
そんなことを考えつつ、こういうムービーを鑑賞したりしています。
そういえば『ドラゴン・タイガー・ゲート』面白かったですね。