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赤松健論更新、他

赤松健インタビュー@『季刊エス』第4号、テキスト起こし&解説

 予告通りアップしました。
 2003年に出たこの記事は、読んだことのある人も少ないだろうし、面白いので、是非どうぞ。モー娘関連の話も、この季刊エスのインタビューが初出ですね。
 余計だったかなと思いつつも、今回も例によっていずみのによる解説付きです。*1

「イメージで語られてしまう」作品の話

でだ、今日『ネギま!』を6巻まで買ってきたのは、うわ、やばい面白いということだ。

 あ、結局、そーいう話なんですよね。


 最近ネットの一部で話題になっていたのでご存知の方も居るかもしれませんが、断片的知識とイメージによる先入観(要するに独断と偏見)で『魔法先生ネギま!』を語ってみようとするブログ近辺の動きがあって、↑のサイトの人は、それに対して客観的に──でもやっぱりイメージで分析しようとした人だったりするわけですけど(ただし中傷的な内容ではないので良しとする←偉そう)。

ちなみに
俺は一話も読んでいないし一話も見る気がしない!

 で、こう書いた人が実際に原作作品をですね、買って読んでみると、「うわ、やばい面白い」と書いてしまう……というね。これが全部を象徴してるんじゃないかと思うわけですけども。


 ネギまの読者が口を揃えて言うのが、「こんなに世間のイメージの悪さで損をしてる漫画はそう無い」ということで、これは、特別ファンでない人からも良く聞く感想です。
 噂は知ってるよ、という人に単行本を見せてみると、大なり小なり、自分が持っていたイメージとの食い違いに驚く、というそういう漫画ですね(その後好きになるかは別として、何より「イメージ通り」であることは少ない、ということ)。


 ちょっと話が飛躍しますが、オタ向けで売れっ子の作家さんだと、例えばCLAMPさんなんかは「自作品のブランドイメージをいかに高めるか」を凄く重要視している所があると思います。公式サイトなんかを見てもそう。漫画家じゃなくても、ギャルゲの製作会社なんかでもどこでも、ブランドイメージには相当気を遣っていることでしょう。
 その一方でですね、「広告とかプロモーションとか、あんま気にしてないでしょう」という質問を向けられて*2「あんまり意識してないですね」と答え返していたのが赤松健なわけですけど。
 公式サイトなんか自作で、これですよ(っていうのも失礼ですが)。ちなみに瀬尾公治先生のは、こう(※音が出ます)


 マガジンで特集記事組んだり、声優決めたり、イベントしたり、メディアミックスしたりっていうのは、あれは全部、講談社か外部の人間がやってることであって、作者本人は言われるままOK出してるだけでしょうからね(本人も観客の一人として楽しんでるフシの方が大きい)。そういう「外の人間に任せちゃう」っていう部分で、ブランドイメージという点で言えば相当のマイナスを作ってる感じはしますね(イメージ悪化の原因をみんな外部の責任にしたいわけじゃないですが)。
 だから出版社や関連会社のプロモーションは、ブランドイメージを高めることよりも「目立てばいいや」的な所がたまにありますね。
 「広告の仕方に関係無く、目にするだけで客は買ってくれる」だけのブランド力が赤松健にあることを知ってるからでしょうけど、そういうことを続けてると、商品は売れてくれるかもしれませんが、イメージは下がるばかりでしょうにね(で、大抵のファンはイメージダウンを承知で付き合っている)。


 そういう、売り方に目敏いんじゃなくて、抜け目のある所も、まぁ赤松さんの魅力ではあるわけですけど。プロモーションの巧さで売るタイプじゃないから、職人的ですよね。
 CMに予算を回さずに商品開発に凝る企業みたいなもので、内容主義でしょう。まぁその内容ってのが、裸とかパンチラの多さなんですけど、「いかにネギまは裸が多いか」っていうことすら実感してない人ってのも実は多い気がしてきたな! いやまぁホントに多いんです。

*1:解説付きの「記事」じゃないと、著作権的にグレーですし

*2:まぁ質問したのはぼくですが