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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

漫画読みオフ

 土曜は加納さん、みやもさん、ぼく、という恒例のメンツでオフ会。珍しく、今回のホストは加納さん。


 最初は前日に視聴した富野×高橋対談を肴にして語ったり古本屋巡りなどつつ、『ゲッターロボ』『ゲッターロボ號』『極道兵器』『虚無戦記』などをサンプルに加納さんの石川賢トークを半日かけて拝聴。
 ぼくは石川賢作品といえば、たまたま『魔獣戦線』を読んでいるくらいだったのですが、講義を受けた結果として


 漫画表現の世界に対する認識がかなり広がりました。すげえや賢ちゃん。


 永井豪も天才(=後発者にパクられるだけの才能の持ち主*1)ですが、石川賢も間違いなく天才。
 永井豪が主に「ドラマ」や「キャラクター」の分野に才を発揮しているのに対して、石川賢は「表現」の天才なんじゃないでしょうか。
 作品(商品)としては破綻しまくったものしか描けないから、売れはしないし、一般の認知度も低いんでしょうが、作品中の随所に非凡なイマジネーションからくる漫画表現(構図、台詞回しなど)を怒濤のカタルシスと共に詰め込んでいるので、世間で思われている以上に漫画界へ与えている影響が大きいような気がします。石川賢の漫画は「表現」の博覧会みたいなもんですよ。しかも、その表現を惜しみなく使い捨てますし。うわあ勿体ねえの連続。
 既にどこかで評されていることだとは思いますが、クリエイターズ・クリエイターな側面が強い作家なんじゃないかな、という印象を受けました。まぁ、何も考えずに模倣しようとしたら、絶対作品崩壊してしまうような、狂った表現ばかりですが……。


 わりかし良い影響を受けている例が庵野秀明で、影響がわかりやすすぎるのが戸田泰成。あといくらでも居ると思う。
 で、安易に取り込もうとしてしまって崩壊した例が萩原一至。絶対、後期バスタードの暴走はハギワラが『虚無戦記』読んじゃった所為っていうことで間違いないですよ(邪推ですが)。あれは真似しちゃあダメですな。

*1:赤松健用語でいう所のニュータイプ