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『魔法先生ネギま!』第2話「II時間目」の楽しみ方

 あくまでウチはこういう風に楽しんでますよ、という話なので参考程度にお読み下さい。
 ぼくはもう、この番組を六割方ネタアニメとして、もう四割をマジメに観ているのですが、今回はバランス的に結構楽しめましたよ、ということで。


 Aパートは前回と同じで、どうもテンポの悪い演出や枚数の足りない作画、雰囲気に合ってないBGM……とツッコミ所が多いですが、Bパートに入って、おっとこれは結構持ち直したんじゃないかな、という印象でした。
 画面が薄暗くなると色彩のトーンが下がって、髪の色のケバケバしさが気にならなくなるなぁ(笑)、というのと、登場キャラを絞って、今後の展開を予想できるような伏線を張っていってるのは良かった、というのと。
 特にフィーチャリングを受けていたのがメインヒロインの明日菜、木乃香に加えて、のどか(前髪で顔隠した子ね)、刹那(木乃香を見つめてた子)、龍宮(その刹那と喋ってた色黒)、エヴァンジェリン(金髪ロリ)、なんですが。ここから、のどか視点のラブコメ木乃香と刹那のエピソード、原作の「エヴァンジェリン編」(3巻にそういうのがある)に近い展開が原作から逆算して想像できるわけです。あと、第1話で夕映が「図書館探検部」って言ってたのと、今回古菲(チャイナ服でカンフーしてた子ね)やまき絵(新体操してたの)が出張ってたことからして、「図書館島編」もやるっぽいかな、とか。
 逆に言えば、アニメ版の前半はそれらのエピソードに絞って構成しようとしてるんじゃないかという見方もできるでしょう。31人全員にいきなり出番を与えようとしたら破綻するのは目に見えてますから、この絞り込みはベターな所なんじゃないでしょうか。
 ちなみにアニメージュの記事では、某プロデューサーが「僕は原作の31人のクラスメイトが全員大好きですので、アニメでは31人全員に出番を作ってあげたいと思っています。期待してください」みたいなことを言い放っておりまして(笑)、アニメ版の成功の分かれ目は、いかにスタッフ陣がこのプロデューサーの意向をスルーできるか、にかかってるんじゃないかなあと結構真剣に思ってます。


 で、ネタアニメとしても楽しめましたよ! 原作クラッシュされるマゾな喜びが。
 特に歓迎会近辺のヴィジュアルが凄い! 超と古菲の演舞も笑えたけど、まき絵の新体操の方がもっと凄い絵面で、個人的に好きかな(笑)。作画枚数足らなさすぎだよなあ。
 そういえば前回の感想で「アニメのダメな所を探す時に作画を第一に挙げるのはやめよう」とは書いたのですが、何も作画崩れについて(腫れ物に触れるように)一切指摘するな、と言ったわけじゃないんですよね。
 粗探し的に指摘して終わるのはやめようという話で、むしろ、作画崩れや枚数不足によって奇跡的に生まれる面白いヴィジュアルは積極的に笑って楽しんだ方がいいぜ、というスタンスだったりもします。いや、勿論、超重要な盛り上がるシーンで凄い絵を見せられたら困っちゃうわけですが、それ以外のシーンなら作画崩れも枚数不足もまぁドンと来いですよ(個人的には)。究極的に言えば、アニメなんてのは「スタッフが伝えようとしてる映像」をフィルムの向こうに思い浮かべることができればそれで充分なんですし。
 そこらへんを解った上で観てるアニメファンの人(キャプ画像をネタの対象にしている人含む)も居ると思うんですけど、最近はヴィジュアル面だけで一喜一憂する人達が増えてきている気がするので、ちょっとそういう古くさい意見を主張してみました。*1


 えーと、今回の絵コンテは『ラブひな』の監督だった岩崎良明
 部分的にこうもシーンの出来上がりが違うっていうのは、アニメはコンテで面白さが決まるんじゃなくて、そのコンテをフィルムにする過程の手際の良さで決まるんだなぁと実感。部分的には手間がかかってるのに、手間のかかってないカットはとことんかかってないですしね。

*1:余談ですが村崎百郎っていう人がエヴァの最終回近辺についてこんなことを書いていて、それはぼくの基本視聴スタイルにもなっています。以下『ターミナル・エヴァ』より引用。「だから、批評家面して、目に映る映像を斜に構えて偉そうにあれこれ文句をたれるのも観客のスタイルとしてはそれなりにおシャレなのかもしれないが、更に心に余裕を持って、目に映る映像のそのまた先に<監督が表現したかったであろう理想の映像>を推測(妄想)し、それを心の目で見る方が、よほど建設的で作品から受ける感動も大きいのではないかと私は思う。」 いい言葉だ。もっとも、心の目で見てもつまらん映像ってのはあるもんですけど