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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

佐々木淳子『ブレーメン5』

 『那由他』や『ダークグリーン』よりも好みだったかもしれない。
 白黒黄色人種の合成人間、半人半獣の少年、機械化人間、頭脳が宇宙船のコンピューターで肉体が人間の女性、天然培養で育てられた少女……の5人が流浪の宇宙航行を続けるスペースオペラ。発表時期は1979年〜1989年(間に4年くらいのブランクがある)。
 無理矢理因数分解すると、全体的なテイストが少女漫画SFと手塚治虫、未知の惑星との接触がメインな所は『スタートレック』、フリークス大集合な所は『コブラ』という感じでしょうか。
 「マトモな人間が一人も居ない集団がフネに乗って漂流する」っていうシチュエーションだけでも読んでて快感があります。ただ星々を巡るだけではなく、クライマックスでは伏線をうまく収束させていてかなり盛り上がりますし。SF的なスケールは結構デカいです。


 さて、これでようやく『リュオン』(isbn:4344803981)*1が読めるぞ。

*1:ブレーメン5』『那由他』『ダークグリーン』のおまけ短編集らしい