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『ふたりはプリキュア』第33話「Vゲット!心でつなげ光のパスライン!!」

 や、映像的にもドラマ的にも見所が多くて非常に充実していた回でした。今回はマニア視聴にも耐えるクォリティでしょう。前回との落差が激しいと言えば激しすぎるんだけど。

  • 映像面

 ユニークなタッチの人物作画が目をひきます。たまにデッサン崩れが出てくるんですが、動的なデフォルメが効いてて面白い絵。と思って観てたら、いやぁアクションシーンで動くわ動くわ。アクションの省略や、ありえないパースの強調がふんだんに込められていて美しいです。最近のアニメーターでは珍しい「動かし屋」のアニメーターですね。この人はファンになって追っかけてもいいかも……と思ってたらクレジットが判然としません。作画監督の飯島秀一は以前からのスタッフだし、じゃあ原画の筆頭だった山田起生って人がそうなのかなあ? ちょっと調べてみると*1第30話の作画も担当していたそうなので……ひょっとしてレインボーストームのバンクを描いたのもこの人? とか想像してみましたがどうでしょう。
 こういうアニメーターが参加しているのが解っただけで、今後視聴する楽しみがひとつ増えた気がしますね。

  • ドラマ面

 「ポルンの予言」がエピソードの引き締め役になっているのが面白い。この手の「謎かけ→謎の種明かし→まとめ」のパターン化は毎回やってくれると味が出てきそうです。プリキュアはストーリーの枠組が弱い分、何かひとつはパターンがあった方がいいと思うので。
 レインボーブレスの発動条件も随分フレキシブルなものだったと判明。こういう大味なドラマの省略は好みなのでウケました。基本的にアレは、基地から射出されるジェットスクランダー*2みたいなもんなんだな……。このパターンで行くなら、懸念されていたポルン虐待シーンも見ずに済みそうで、さすがにスタッフもそのくらいは考慮済みだったということでしょう。
 戦闘への持っていき方、日常への戻し方もスパッとすっきりしていて自然。学園ドラマとアクションバトルという、相反する要素をいかに同居させるかというのが『ふたりはプリキュア』の課題だったと思われるのですが、かなりテクニック的にこなれてきた感じですね。そのテクニックがこの回だけでなく、後の回にも継承される手法になればいいんですけど。そこらへんはシリーズディレクターの仕事かなあ。
 前回の感想で、回想シーンをあまり使わない演出が不満だと書いたわけですが、早速その次の回でフラッシュバックの多用が見られたのも(偶然とはいえ)嬉しい誤算でした。


 あとレギーネは確かに可愛いわ。
 とまぁチェックポイントの多い回でした。来週はゲストキャラの小田島先輩も復活するそうなので楽しみだ!*3

*1:他の仕事には『メタルファイターMIKU』、今川版『鉄人28号』など

*2:ネタが古くてすみません

*3:ネタバレすると脚本は第16話(マドンナ登場回)の影山由美。16話で投げっぱなしだったエピソードが回収されるのかどうかが見物かと