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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

「リアルホモカップルは見たくない」

 ボーイズラブ漫画を少しずつ読み溜めていて解ってきたことなんですが、「あぁ、これは女の子のファンタジーなんだなあ」っていうことですね。
 「女の子の」っていう但し書きが付くのは、少女漫画で純粋培養されてきた「ファンタジーな恋愛」と基本的には似たようなレベルの発想で描かれている作品が多いっていうこと。男×男だからファンタジーなんじゃなくて、そこで行われている恋愛の仕方自体がもうファンタジーというか。ボーイズラブ漫画として括る前に、少女漫画の一ジャンルであるという視点から現象面を捉え直してみるのもいいんじゃないでしょうか。
 やおい妄想の動機として「異性愛を拒否して云々〜」っていうのは良く言われることですが、彼女達(描き手/読み手達)が遠ざかろうとしているのは異性愛なんかじゃなくて、「リアルな恋愛」そのものなんじゃないか? という気もしますね。*1
 要するに、リアルホモカップルはリアルホモカップルなりの「リアルな恋愛」をしてるもんだから「見たくない」になるんだろうな、と。ふむ、まぁそりゃそうでしょうよ。
 するとよしながふみ辺りが「BLじゃなくてホモポルノ」を描こうとするのも、現象としては、一時期の少女漫画(正確にはレディース漫画か)が「リアルな恋愛」を描こうとしたムーブメントと同じことが起こってるだけかもしれませんし。


 割と乱暴な感想なので今回の言及はここまで。

  • 補足

 ↑の文章で「リアルな恋愛」っていう言葉を二種類の意味で使ってますね。失敗。
 「一時期の少女漫画が〜」っていうのは恋愛漫画がトレンディドラマなんかの影響を受けた後の表現を指してるんですが、それはそれでファンタジーでしょう。完全にリアルを目指していたんじゃなくて。
 BLが完全なリアルを目指さないのも同様、かなあ。

*1:ここでの「遠ざかる」というのはネガティブな意味ではない。念のため(大抵のフィクションは現実離れするほど面白くなるもんだ)