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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

姫と呼ぶ文化圏

 適当にはてなをサーフィン。一部じゃなくて全体を見ての感想ですが。今日はいつもよりちょっと文章走らせるよ。
 どこも偏見、偏見という感じで気持ちが良くない。
 みんな好き勝手な憶測で自分の「姫」観を語ってて、そういう偏見や「イメージの捏造」が渦巻いた議論空間を見た時の方が、ぼくはよっぽど「ゲッ」と思うけどなあ。「姫と呼ぶ文化圏」を目にする時よりはね。


 あるコミュニティの中で目立った対象に「姫」「マドンナ」「お嬢様」「大将」「陛下」「王子」「艦長」「社長」「先生」「博士」なんて尊称をつけて尊敬を表すなり「逆差別」するなんてのは、フィクション世界でも王道だし(「寅さん」は王道だろう)、幼稚園児か小学生でも思い付く発想ですよ(幼児的な発想なんだから、当然いじめにも発展することだってある)。
 『コロコロコミック』のような児童漫画にも紅一点(要するに「しずかちゃん」タイプのキャラ)のことを「ぼくらのマドンナ」「姫さま」*1と呼ぶことが多いことからも、そういったコミュニケーションは「子供にとって受け入れやすい/取っつきやすいもの」だ、ということも解るでしょう。


 んで最近思うことなんですけど、「オタク」っていう言葉は「お子様」と同じものを指してるんですね。これはそう間違ってないはず。*2
 オタクのコミュニケーションは子供遊びの延長上にあるから、成人しても仲間のことを「艦長」「王子」って日常会話で呼べたりできるし、紅一点のことを「姫」と呼んで巫山戯たりもできる。
 当然、そういうコミュニケーションを一般人(もしくは一般人意識の強いオタク)に見られたら「ゲッ」と思われてしまうでしょうね。それは「お子様」の延長で会話してるわけだから、軽蔑されるのは当たり前。
 まぁ、TVの中で芸能人が巫山戯て呼び合ってたり、自分がたまに「幼児返り」するのは一般人的にオッケーなんでしょうね(一般人の中でも巫山戯て「社長」「先生」とか呼びかけてくる人は結構多くて、幼稚で鬱陶しいなーと思うこともある)。


 オタク・コミュニティの中で「姫」という呼称が定着しやすいのは、そこが「子供遊びの場」だからでしょう。逆に言えば、一般人だって幼児化して退行しちゃえば「姫ー」「王子ー」とか口走ると思いますよ。普段は常識や理性で抑制してるだけでしょう。
 それはサブカルチャーの影響があるとか、無いとかの問題じゃなくて、単なる「言いやすさ」の問題です。それは空間的な言いやすさだったり、本人にとっての言いやすさだったりするでしょう(だから「不思議ちゃん」と呼ばれる子達は、本人が言いやすい雰囲気を自覚的に作り上げてるんだと思う)。


 で、男が「王子」って渾名されるのと、女が「姫」って渾名されるのはどう違うんですが? もし違いがあるとしたら、至極単純な「好き嫌い」の気分の差(=男が王子って呼ばれても気にならないけど、女が姫って呼ばれるのは気になるっていう「差」)でしかないんじゃないですか? なんで男の渾名じゃなくて「姫」だけが取り上げられるわけですか?


 つーわけで一番偏見でない意見を書けてるなーと感じた所としてここを挙げときましょう。→id:naberius:20040728
 「プライベートな集まり*3だから自然とそういう表現が出てくるだけ」。まさにそれ以上でも以下でもなくて、そういった現象を云々して何か意味はあるんですかと他の人達には問いたくなります。
 具体的な事実を挙げた意見(風俗とかオールナイトニッポンとか)なら資料として価値があると思いますが、事実性や資料性を重んじればこそ、ヘタなサブカル分析(主観語り)は危ういと思うわけですが。
 オタクは子供っぽい、子供っぽいからメルヘンな渾名も使う、SF界にしろとんねるずにしろヤンキーにしろ風俗にしろ社交界にしろ*4、子供っぽい部分はある。そして、子供っぽくないものを「一般性」や「大衆性」と呼ぶ。このレベルの解釈では、まだまだ皆さん満足できないわけですかね。*5

  • 追記

http://d.hatena.ne.jp/izumino/20040802#p1
 こちらに続きがあります。

*1:もっと端的に本名が「姫子」だったり「姫ちゃん」と呼ばれてたり

*2:例えば鳥山仁という人は「オタク=精神病者」という言い換えを好んで用いるけど、ぼくは「お子様」と言い換えた方が間違いが少ないと思う

*3:これを「幼児化しやすい集まり」と言い換えても全く問題無いと思う。そして、オタクの集まりは往々にして幼児的でプライベート的だ

*4:アダルトやハイソな空間ほど「幼稚な遊び心」を持ち合わせてくるもの。マスコミ界もそう。女子バレーの「プリンセス・メグ」はどうなの?

*5:「それは相対主義的なだけだ」という風にツッコまれるわけだろうか?