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『マッハ!!!!!!!!』

izumino2004-07-27

 アクション映画に新たな1ページが。というわけで、アクション映画好きは必見の一本。
 タイやムエタイがどうこう、というより、超人的(誇張のレベルではなく)なスタントマンであるトニー・ジャーという男がまず最初に存在していて。彼を主役にしてとにかく面白い映画をつくろうじゃないか、という「逆算」でフィルムの全てが製作されているのが成功したポイントでしょうね。だから実は、アクションだけでなくちゃんと「観れる」映画になってます。脇役の使い方も心得たものですし、細かい作劇のテクニックも容赦なく使ってきますしね。*1


 さてアクションの方に注目すると、これがCMで大口叩いてるだけのことはありますよ。特にトニー・ジャーの柔軟さ、軽快さ、バランス感覚の良さがもうハンパ無くて、どこからがムエタイでどこまでが彼の肉体能力なのか区別がつかなくなります。今回目指したスタイルが

  1. ブルース・リーのスピード感
  2. ジャッキー・チェンのバネ
  3. ジェット・リーの優雅な動きにムエタイをミックスしたもの

だそうなんですが、どのハードルもクリアできています。すげえ……、そこまでやられたら誉めるしかない。*2
 途中で棍やトンファーといった武器を用いるシーンもあるんですが、そういった武器演技も(カンフーではなく)ムエタイの身法の延長線上にあって、新鮮な映像になってましたね。つまり、これはもうムエタイっていうよりも「トニー・ジャーのアクション」として完成してるってことでしょう。


 ただ、トニー・ジャー主演で次回作を作るとなると頭を悩まされそう……ってことを考えてたら、リュック・ベッソンのプロデュースで新作撮ってるんですと。スケベな男だなあベッソン。『ヤマカシ』と『キス・オブ・ザ・ドラゴン』のどっちかみたいな映画になりそうな予感。酔拳2のラスボスの人

  • 追記

http://www.sankei.co.jp/edit/bunka/cinema/2004/0721mach.html
 この『トム・ヤム・クン』っていう映画がそのベッソン・プロデュースらしいです。『WASABI』のタイトルと対応させてるんだとか……。なめんな。

  • 余談

 ところで「トニー・ジャー以前」のムエタイ使いっていやあ、やっぱ酔拳2』のロー・ワイコンでしょ。
 →この人

*1:例えば、物語の導入に「おばあちゃんネタ」を持ってくるあたり「うわ、油断ならねえなあ」とビビったりした

*2:1番目と2番目は観る前から予想してたけど、3番目を実現しているのが特に凄い。しかもワイヤー無しで