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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

生の女子中学生からみたプリキュアの男性像(はてなダイアリー - ほぼプリキュアの決意)

 実際の女子中学生からみた父親はゲキドラーゴみたいなもんだ、という生々しいご意見。
 その読み方で行くと、ピーサードは「男の子全般」のカリカチュアなのでは? と連想できるかもしれない。
 基本的にナルシスティックで、異性からの恋愛モーションを解さず、役に立たないプライドにこだわり、屁理屈に頼り、戦いの場にロマンや俺ルールを持ち込みたがり……な所など、(同世代の男の子よりもリアリストな)女の子からみた、「バカな男の子」像が投影されているとも取れます。
 そしてこのように描かれるピーサードの姿は、同じくイケメンの男の子である「藤村くん=藤P」の裏面なのではないでしょうか。第5話において、ピーサードは男の子的ロマンを最大限に噴出させながらも、キュアホワイトの人道的ロジックによって粉砕、退場させられるのですが、藤Pも第8話において女性間友愛関係の構築を手伝う(手伝わされる)という役割を果たしたのち、「物語的には」殆ど「退場」しています。


 このようにして『ふたりはプリキュア』というアニメがあくまで女の子向け番組であることを思い知らされるのですけど、さて、ここからフェミニズム的メッセージを迂闊に受け取ってしまうのは結構危険で、単なる「女尊男卑」的イデオロギーに着地してしまうのは(女の子にとっても、我々男性視聴者にとっても)あまり宜しくない。
 第11話は、丁度「なぎさの性格」と「ほのかの性格」と「なぎさとほのかの関係」が十全に描写されきった回に位置します。そのタイミングに重なるように男性幹部らが退場し、また彼らと入れ替わるようにして、「理解ある父親」が登場し「愛すべき弟」の姿が現れると。
 そして次回から敵となるのは、一転、女性幹部のポイズニーであって、『ふたりはプリキュア』は今まさに物語の転換期(もっと長い目で見れば、起承転結の「承」)に突入しているように思えます。スタッフがこれからどう話の風呂敷を広げていくか、に注目する楽しみが本格的に出てきたと言えるでしょうね。