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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

女書―消滅に瀕している中国湖南省の女性文字

izumino2004-02-21

 また、この地の女性たちは、少女のころ、血縁はないが、仲のいい娘同士が姉妹の契りを結ぶ、「結交姉妹」の関係をもつことが盛んであった。「姉妹」同士が、連れだって村の神社の祭りに出かけ、一緒に女紅をし、実の姉妹よりも親密な関係で結ばれていた。 
(中略)
娘時代はとても幸せなのだが、結婚するとたいへんな地獄が待っている。会ったこともない男性のもとに嫁がされ、家事に追いまくられ、姑にいじめられ、子どもを産んでも、病気で、早死にさせてしまう。

そして、なによりも、実の姉妹よりも親密だった「結交姉妹」と別れるのが辛い

その気持ちを歌にして歌うわけですが、別れてしまったら、一緒に歌は歌えないし、歌っても届かない。何とかして、気持ちを伝え合いたい、その渇望から、この文字が生まれたと考えられる。

 村の、指導的な立場の男性たちは漢字を知っている。そういう父や兄を持つ娘たちが、その漢字を見よう見まねで写して、それを簡単にしたり、変形したりして作ったと思われる。


 ちょうど内田樹の「フェミニズム言語論」*1を読んでた最中だったのでなんかシンクロニティなニュースでした。
 でも女文字っていうのは日本の「ひらがな」もそうなのかな。すると漢字とひらがなで出来てる日本語は中性的なのか。百人一首や和歌集、俳句といった女性の文学が豊富に残っていて基礎教育で学ばせたりしてる日本文化は結構特殊なんですかね。

*1:「言語」そのものが男性的だとしたら、女が女として「女性の言葉」を語ることは可能か、またはそんなことする必要はあるのか、という話