『GUNSLINGER GIRL』最終話
#過去の感想はまとめてこちら→id:izumino:20031010
ひょっとしてこれは、新世紀のアニメなんかじゃなくって、199X年を舞台にしたアニメなんじゃないだろうか?
そう思って見ると、これは結構面白いアニメじゃないでしょか。暗く塞ぎ込んだ終末感と退廃的な世界観! これぞ世紀末ってやつですよ。第九の合唱も恥ずかしいくらい末世末世しててたまりません。*1
まぁ原作では割と大したことないエピソードである流星雨話を他の未収録エピソードと複雑にザッピングさせ、ここまで面白くさせた結果は評価したい所です。
ちなみに100%楽しむには、原作と同人版と、相田裕が『コミックメガフリーク』に描いたカラー読み切りも知っている必要があり、まぁそれを読んでいるぼくはかなり楽しめたのですが、とスノッブな自慢をしておいたり。*2
閉塞していく周囲の世界と仲間を、血を流してでも守っていこうとするトリエラとクラエス。特にキャラクターとしてのクラエスはとても正しく、その正しさが心に染みます。第5話におけるクラエスの言葉がちゃんとヘンリエッタの心に届いていて、ヘンリエッタ自身を成長させている*3ことを窺わせるシーンなんか泣けまね。あそこの演出でこのアニメの評価がかなり変わりました。
しかし一番うまく行ってるフラテッロは明らかにジャンリコですな。あれは結構ラブラブなカップリングと考えてもいいんじゃなかろうか。
あとついでに、ちょっとネタのあら探しに協力。
マルコーがアンジェリカの犬を探すというエピソードは、同人版第4話「Free talk」*4からの引用。
「限られた残り寿命を充実させて生きよう」っていうテーマは『コミックメガフリーク』に掲載された「FLOWERS」*5からの引用を思わせます。ここらへんスタッフは良く原作者の仕事を読み込んでるんだなあ、と好感度がアップ。
「えーと、続編ありますよね」って言われちゃってますけど、あのラストは同人版外伝「idle talk」*6に繋がる場面なんだろうなあと思います。続編があるなら劇場版かOVAサイズですな! ペトロシュカが出ていてクラエスの出番が多ければ尚オッケーです。妄想ですけど。でも観てみてぇー。
「idle talk」にあるネタは商業版でも使うかもしれないみたいなことを相田さんは言ってましたが、漫画ではどうオチつけるつもりなんでしょうね。そろそろ間延び感が……。
連載が終わっていない今で言えば、トータル評価はアニメ版の方が高いです。はい。