ここ(id:izumino:20040129#p1)に反応してくださった方がいくらかおられたので
まだリンクしていいものか判断が付かないのでリンクはしませんが。
「女の考えてることを男が想像してもアテにならない」と言って思考放棄するのも賢明な手なんでしょうが、他人任せにするのもアレなのでちょっとまとめてみます。
- 女性原画師によるエロゲー
ぼくが「絵から入った」と認識しているのは、まぁごく最近の話で、「こみパ」等の、有名女性原画師が原画担当していたゲーム群を指しています。エロ控え目の。
どういう人達が入ったかですが、多分「絵心のある人(絵心は無いが描きたい欲求のある人)」で「主に女の子の絵が好きな人」だったんじゃないでしょうか。上手い下手は関係ないですが、どちらかと言えば技術的に未熟な人達が多かったんじゃないかなと(絵に対する憧れのベクトルが働きやすいので)。
当時のパソゲー界における美少女絵の傾向やCG技術は間違いなく最先端だったので、そういうのが好きな人達が飛びついたと。ネットのCG界でも当時は「うまい人」の数が限られていて、信仰対象になりやすかったというのもあるでしょう(今ならポータルサイトで検索して自分好みの絵描きを探すことが普通になっているし、基礎的なCG技術は共通財産化していたりする)。
- 格ゲーヒロイン
で、そういう人種が「こみパ」群より前、何に触れていたかというと、多分格ゲーであり『ゲーメスト』だったと思います。
丁度更科修一郎(id:cuteplus)用語で言うところの「カプコニアン(id:cuteplus:20040122#20040122f4)」的オタク層というのが当時(90年代中期あたり)の主力で、この中にはそこそこ女性が居た。その多くは男キャラ目当てだったりもするわけですが、いかにも「男性向けでキャッチーでエロい恰好をしたヒロイン」を好きになる女性というのも結構居て、そういう傾向はイラスト投稿コーナーでも窺えられました(格ゲーコスプレの話はちょっと複雑になりそうなのでやめとく)。
ここで憧れの対象となったのが、皆さん御存知の七瀬葵とか、桜瀬琥姫で、その桜瀬琥姫は投稿者あがりのイラストレーターだったりする。
この格ゲーブームはセラムンブーム以降の同人バブルと時期的に重なっていることもあり、女性絵描きが「男性向けデザイン」の美少女を愛好したり、逆に男性向けを意識して描き始めたのは、この頃の流れが大きかったんじゃないかと想像しています。
(男性オタクと女性オタクの邂逅は、それ以前にも『アウト』誌上やそれこそ即売会やアニメサークル内で発生しているだろうが、ぼくは流石にそこまで詳しくないのでこれもやめとく。ただ、『ファンロード』の女性投稿者は男性向けのデザインを意識してなかったと思う)*1
あと勿論、『ゲーメスト』と並行してコンプティークやパソパラやメガストアやピピ*2なんかを(プリメとかエロゲ記事目当てで)読む女性も居た筈ですが、これが潜在的にどのくらい多かったのかは良く覚えてません。
あとこれは当たり前の話だと思うんですが、美少女漫画を読む女性はフツーに多かったと思います。でも絵で読む人とエロで読む人は分かれてそう(これも実は方便で、ホントはエロ目的なんかもしれんが)。
ガールズラブは一旦ボーイズラブや少女趣味の中に潜ってから出てきたものだとぼくも考えているので、確かにエロゲー/ギャルゲーから直線で結ぶことはできない筈です。
だから気になるのは、上記の「主に女の子の絵が好きな人」と「やおい」は接点のあるものだったのか、という点とか。どちらも格ゲーに見られたものですが。
そこらへんがどうなっているのか良く知らないので。
(んで、多分「フツーに両方好きな人が多かったよ」っていう当たり前な返答が返ってきそうな気もする)