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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

あんよさんに反応していただいたので

 まったくです。
 というか、まず子供番組ありき、であって、その子供番組を素直に享受しつつ色んな角度で楽しんでしまうというのがオタクの本道だったのではないかと古いタイプのぼくは思うわけですが。


 ちょっと「子供番組」と「大人向けアニメ」の歴史のおさらいをしてみたい(資料に当たっているわけではないので思いつきで書いてます)。


 大人向け、というのは「戦争のリアリティ」をどう描くかに集約することができて、(これは村崎百郎による指摘の丸写しですが)「ガンダム(敵側にも正義はある)」→「ナウシカ(愛による戦争の否定)」→「パトレイバー(体制側の裏事情)」→「エヴァ(敵の喪失/内面化)」という流れでアニメ制作者の意識の向上は大体説明できます。海外で評価を受けるアニメも多くはリアリティを追求した作品で、「アメリカのアニメは子供向けだが、日本のアニメは大人向けに作られている」という評価の仕方がされると。


 で、エヴァ以降の、見た目大人向けであったりリアリティのある作品っていうのは実は「難解」でもなんでもないというのがぼくの見解で、画面にリアルな情報やメッセージを詰め込んであるんですから、視聴者は特に工夫もせずにそれを追っていけばいいんでしょう。それは凄く楽な見方だと思います。
 萌えアニメ……というかオタク向けアニメの多くにも同じことが言えて、そういった素材は「食べ方」が決まり切っていますし、スタッフも客層を把握した上で製作しているから、解りやすく平易な情報を画面に詰め込み、視聴者はそれを飲み込めばいいと(消化力に個人差はあって、より味わえる人と味わえない人には分かれますが、摂取の仕方は同じ)。
 そこに「面白さを探す」苦労や楽しさは、あまり無い。*1


 ぼくが良く「最近のオタク」を十把一絡げに批判する理由もそこにあるんですが。人に調理してもらった料理しか食えないのかよ、みたいな。

アニプリ(2001年放映)も同様に80年代初頭の再帰だとすると…。ああっそうか、ぼくが感じていた懐かしさは。名作劇場のそれ(+山本正之)だったのかっ。

 確かにアニプリも00年代の前兆としてはあるかもしれませんね。
 コメットさん*2……はなんでプリキュアほど騒がれなかったのかな。ぼくは観てなかったんですが、一部の子供番組オタクからは高い支持を受けていた筈。
 あと、赤松健が「まおちゃん」でやろうとしたことも流れとして外せないと思います。ただあれは途中まで期待してたんですが、あまりにもスタッフ不足*3なのと、どうしようもない黒田脚本の個性が光ってぼくは挫折してしまいましたが。*4
 デジこ辺りも、アニメとしては結構逆行してそうですね。


 繰り返しになりますが、80年代そのものを賛美したりリフレインすることが目的なんじゃなくて、温故知新、いかに現在の文化を養っていくかということ。
 うまく時代が流れれば、あと6年間は退屈せずに済みそうです。

*1:これはテキストサイトの管理人や、無名のネタ職人の層が厚すぎ、優秀すぎる所為というのもある。ネットが拡大する以前は、そういった「オタク芸人」が貴重な存在だった筈なのだが

*2:最初素で「コレットさん」って書いてて、3時間ほど気付かなかった。恥ずッ

*3:メカデザインや情景設定が原作者のアシスタントのラクガキそのまんま、っていうのは流石に手を抜きすぎてたと思う

*4:一念発起して最後まで鑑賞してみるべきか