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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

思うのだけど

 みんなが水希(id:miduki144)ちゃんに「若い内に読んだほうがいい本」を紹介しようとしている様子(id:miduki144:20040103)を見て、ちょっと考え込んでしまう。
 「年齢なんて関係無い」という言葉に反論するかのように、今のぼくは20代っていう年相応の読書しかしてないなあと思うから。

 
 10代の頃に「大きな感動」(「大きな物語」と言ってもいいけど)を一度経験してしまうと、それ以降の人生は、その「大きな感動」を補強しようとしたり(似たような物語を探し続けたり、あの時の感動は正しかったんだと確認したがったり)、あるいは否定したりといった活動に費やされてしまう。
 個人差はあるでしょうけど、大抵の人がそうやって毎日を過ごしているのは否定できない事実だなと。
 実際、今のぼくが「大きな感動」を求めているかといえば全然そんなことはなくて、「自分の好み用にカスタマイズされた物語」が手に入ればそれでいーや、という方向で本を読んだりしていますし、今のところ、自分が所有している「大きな感動」の方向修正こそすれ、根本から否定して再構築したいという気にもなっていません。
 「自分の好み用にカスタマイズされた物語」っていうのは、客観的に評価してみるとどれも「小粒な物語」であって、無茶苦茶感動するようなもんでもないなー、とか。自然と「大きな物語」を読まなくなってしまうんだなと。
 だからこそ、「若い内にたくさん読んでおけ」って誰もが言うんでしょうけど。


 もちろん「大きな感動」っていうのは当然メディアの中だけに限らないわけで、勉強や生活やその他諸々なんかの中にも「大きな感動」はあります。
 「大きな感動」をフィクションの世界に限定してしまうのも勿体ないことかな。

  • ついでに思い出した

 ちなみに、ぼくが10代後半の頃、ぼくに向かって「若くて羨ましい」とか「俺ももうそんな歳か」とか自嘲気味に言う20代の人達をクソみたいな大人だと思っていました。
 10代は10代、20代は20代であって、それ以外の何でもない。比較しようとすること自体がおかしい。
 比較してしまえば、「20代は30代よりもまだまだ若くて素晴らしい」のだし、「20代は10代よりも経験を積んでいて素晴らしい」んだから。
 20代は20代らしく頑張ればよろしい。